ラ・セレナ皆既日食・驚天動地編

Keietsu Sayama
(19)観測地と宿泊場所を失った

市街を散策して昼食を取り宿に戻ると驚天動地の展開が待っていました。宿のオーナーが気を利かせて次の宿に電話したら繋がらず、取り次ぎ会社のBooking comに連絡をしたところ、何と次の宿が閉鎖されているとのこと!そんな大事なことが全然Booking comから、こちらに伝わっていないです。宿のオーナーが「この値段は安すぎる。この時期は一泊100$が相場だ。」
1$は681ペソ
1$は681ペソ
・・・と言うことで我々に気を掛けてくれたのか、もしそこに泊まれないんだったら私のウチで一泊100$で泊めてあげるとのこと。

藁にもすがる思いで申し出を受けました。但し必要以上の金は持ち歩いていないので、クレジットカード払いになります。しばらく頭が真っ白で、思考能力が停止しました。

つまり観測地と宿泊場所を一気に失ってしまったのです。これは宿のオーナーを頼るしかありません。選択肢は2つあります。一つはオーナーのウチで2泊200$か海岸に近い2泊363$を選ぶかのどちらかです。オーナーのウチは山側にあってそこから皆既日食を見るのは厳しそうでした。

海岸のロケーションが良い場所を選びたかったので、海岸を選びました。アパートメントハウスだそうです。支払いは宿のオーナーに払いました。まさか前もって取った宿が契約無効だとは当日になるまで露知らず、当初よりやたら高くなったのですが、クレジットカードで支払えるので致し方ないです。
$239.944
新しい部屋は、2泊で$239944ペソ
松永さんに明日は一緒に海岸のホテルで観測しましょうと言うと、午後2時頃は伺いますとのこと。しかし次の宿が無くなったので、見つかるまで傍にいてくれました。

次の宿に向かうドライバー(オーナーの息子)に英語で話して情報を得た結果、海岸からその日のうちに空港に向かうのは、非常に渋滞してフライトに間に合わない危険があると聞きました。
新しい部屋は、2泊で352.6$
新しい部屋は、2泊で352.6$
松永さんの予定は、皆既日食の夜にサンチアゴへフライトしてイースター島に行くそうです。せっかく一緒に行動出来ると思ったのにいきなりのお別れです。LINEも交換したので、日本でまた会えるといいでしょう。

思わぬ出会いと急な別れ。次の宿が無くなって見つかるまでの間、色々と気に掛けてくれてありがとうございます。「これも旅の一部ですよ」と励まされました。
場末感溢れる夜のMi Maravilla
場末感溢れる夜のMi Maravilla

Daily life of La Serena4

(20)オーナーの息子さんが現れる

宿のオーナーの息子さんが次の宿まで車で連れて行くとのこと。チリはアメリカと同じ右側通行。やはり現地の人の運転は早いです。

息子さんは太っていて髭を生やしていますが、サンチアゴ大学で英語を勉強したらしく英語が堪能です。スペイン語よりは英語が話せる相方も意志疎通が楽そうでした。
ラ・セレナのガソリンスタンド
ラ・セレナのガソリンスタンド
途中ガソリンが無くなったのか、ガソリンスタンドに立ち寄り給油します。フルサービスでフロントガラスを拭いてくれました。派手めの音楽がかかっていて、走行を開始します。

このような状況なので、皆既日食前日のシミュレーションは諦めました。代わりに車窓から見える夕焼けがやたらと綺麗です。ビデオカメラを回しながら風景に見入ります。最初はどこを走っているのか見当も付かなかったのですが、撮ったビデオを見返してみるとラ・セレナの南方にあるコキンボ方面に向かっています。
車窓から見える夕焼け
車窓から見える夕焼け
ビデオではカットしていますが、次の宿の持ち主の家まで行っています。そこがコキンボにあるので、南方まで向かっていました。宿の持ち主の家に着くや否や、若いオナゴちゃんが車に乗ってきました。彼女が宿の持ち主だそうで、宿のカギを持っていました。

そこから次の宿まで向かいます。宿と言っても、この辺によくあるアパートメントハウスです。途中、車があちこちグルグル回るのでどの辺を走っているのか見当も付きません。でもどの日本人よりもラ・セレナの街並みを堪能できたと思っています。
車窓から見える夕焼け
車窓から見える夕焼け

Drive of La Serena and Coquimbo

(21)欠陥だらけのアパートメントハウス

着いた海岸の宿は気密性がしっかりしているもののボイラーが故障しているので水しか出ません。テレビも繋がらないし、電気ケトルは誰かが直接食材を放り込んで洗わないままです。

冷蔵庫は冷えていますが、前の宿泊客が置いていった玉ねぎとニンジンと卵がありました。野菜の干からびたモノもあります。トイレットペーパーは無いし、まるで管理がされていません。

ただ寝室は3部屋あって1人部屋と2人部屋と2段ベッドの部屋がありました。相方は着くや否や早々と1人部屋に籠ったので、こちらは2段ベッドの部屋にしました。
ボイラーが故障
ボイラーが故障
風呂の問題ですが、バスタオルは無いし、水しか出ないシャワーは諦めました。部屋に備え付けてあるパスタを茹でるバカデカい7Lの鍋と2Lの鍋でIHヒーターを使い、お湯を沸かします。

更に汚い電気ケトルを洗って熱湯を作り、温くなったお湯に足します。お湯が入った鍋は風呂の縁に置きます。お湯をすくうのは、黄色いタッパーを使います。これでフルに身体を洗えます。部屋はあれどもサバイバル状態なので、頭を使うしかありません。
お湯が出ないお風呂
お湯が出ないお風呂
生活で出るゴミの処理に困りますが、目の前にあるコインランドリーの横に大きめのゴミ箱が置いてあったのでそこに捨てました。

ガスと電気は生きているので、フル活用しました。暖房器具は扇風機にヒーターを付けたモノが1つしかないので、廊下に置き部屋全体を暖めます。1部屋分なら充分温まりますが、扇風機のファンの回る音が大きすぎるので、うたた寝していても気になるところではあります。
お風呂セット:お湯を鍋で沸かして水で埋めます
お風呂セット:お湯を鍋で沸かして水で埋めます
ここの最低気温は8℃にしかならないので、朝晩は結構寒いです。日中でも15℃くらいにしかなりません。日本に帰ってから蒸し暑さで体調を崩さないように気を付けます。

相方も私も驚天動地の展開に疲れきっています。結局高い金を出してツアーに参加した方が、日本で日常を過ごすのと変わらない安心が得られます。単に旅費や宿泊代の安さに目が眩んでしまったら、余計宿泊代がかかるし後味の悪さだけが残ります。次回はツアーにしたいです。

話が前後しますが、ここから海岸までの行き方を紙に書いて教えてもらいました。もしかすると宿のオーナーの息子さんも、ここに泊まったことがあるかも知れません。

文章で説明すると、建物はコの字型になっていてコの奥がいまいるところ。そこから大きく左に行って右に行くと大きな出入り口があるから、そこから見える道路を右にまっすぐ行って古い建物の宿を右に行くと海岸に出られる・・・と言った内容です。

これは実際に確かめないといけないので、朝方相方を起こして出かけてみました。
廊下にヒーターを置いて部屋を暖める
廊下にヒーターを置いて部屋を暖める

Edificio Paseo Penuelas:アパートメントハウスの位置
Edificio Paseo Penuelas:アパートメントハウスの位置・・・画像をクリックすると拡大します

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