極大期のコロナ 佐山敬悦

天文月報2002年4月号表紙入選

極大期のコロナ

日時(現地時刻)2001/6/21 15:10:56
撮影地ザンビア・ルサカ ホテル外庭にて
緯度・経度南緯15°24´57" 東経28°18´52"
標高1300m
露出1秒
機材MINOLTA α−707si
レンズAF 500mm F8 x2倍テレコン
フィルムAGFA HDC 400 plus

写真説明

こちらは、2001年6月21日にアフリカ南部ザンビアの首都ルサカで撮影した、太陽活動極大期型の丸い形をしたコロナです。1995年に撮影した極小期型のコロナと違って全方向にコロナの流線が伸びています。これは、極小期型に比べ黒点の数が多いために太陽内部の活動が活発になり、磁気中性面も平衡を保てなくなるので無秩序に壊れます。それと比例してコロナの形も球対象に吹き出すので、地球から見ると全方向に向かってコロナが伸びることになります。

コロナは太陽の強烈な光に隠されて普段は見られません。月が太陽を隠す皆既日食の時にだけ見られます。これは大変かすかな現象で、実際の明るさは内側の内部コロナで満月の月と同じです。外側の外部コロナは三日月に見える地球照(月の暗い部分が地球の昼の光で月に反射して見られる現象)と同程度と言われています。

コロナの温度は100万度とも200万度とも言われています。太陽表面の平均温度は約6000度なので不自然ですが、コロナの温度が高いのはプラズマと言う太陽から発せられる粒子の粒で説明できます。このプラズマの原子同士が高速で衝突した時に物凄いエネルギーが発生します。コロナをフラッシュスペクトルで分析すると、鉄の分子が電離した状態で表示されます。これは鉄分子が電離した時の温度は100万度〜200万度でなければ説明がつかないのでコロナの温度は高温なのです。

この写真が2004年5月10日 TBS系列で探偵 左文字進Hの劇中に出ました。

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