感動のダイヤモンドリング 佐山敬悦

2001年10月号月刊天文入選作品

感動のダイヤモンドリング

日時(現地時刻)2001/6/21 15:09:18
撮影地ザンビア・ルサカ ホテル外庭にて
緯度・経度南緯15°24´57" 東経28°18´52"
標高1300m
露出1/1000秒
機材MINOLTA α−707si
レンズAF 500mm F8レフレックス x2倍テレコンバーター
フィルムAGFA HDC 400 plus

写真説明

こちらは、2001年6月21日にアフリカ南部ザンビアの首都ルサカで撮影した第二接触のダイヤモンドリングです。

ダイヤモンドリングは皆既日食を迎える直前のものと直後の二種類があります。前者を撮ったのがこちらの写真ですが、それまでは太陽の光が強すぎて直接肉眼では見えません。長時間見続けると失明の危険さえあります。暗い皆既日食が終わり、目が暗さに慣れてきた頃(暗順応)に再び太陽の光が出た点だけをダイヤモンドリングだと定義している学者もいます。

写真では光の上に虹のような物が出ています。これがゴーストです。ゴーストが出る要因は、テレコンバーターのようなレンズの構成枚数の多いものを付けると発生します。しかもダイヤモンドリングのような太陽の光を直接撮る写真だと虹のようなゴーストが発生します。これを防ぐには、まずピントを正確に合わせて三脚の立地条件も正確に水平になるような場所に立てます。そうするとテレコンバーターを付けてもゴーストが軽減されます。完全にゴーストを無くしたい場合は屈折式の望遠鏡が必要で、鏡筒の長さが長くなるばかりではなく持ち運びにも大変な労力が必要となります。

今回の皆既中は太陽高度が30°しかないのでアングルファインダーを使いました。これはカメラのファインダーを真上で見られる器具です。このファインダーは視野を2倍にできるので、2000mmでピントを合わせました。

月と太陽の右縁に紅く見えるのがプロミネンスという太陽のガスの一部で、これだけで地球3個分の大きさがあります。プロミネンスの元は黒点同士がつながった磁力線で、太陽下層の対流運動のバランスが悪くなると磁力線が切れる場合があります。そうして目で見えるような高さまで吹き上がったのがプロミネンスです。規模の大きな磁力線が切れると、そこからフレアと呼ばれる太陽内部からのプラズマから構成される爆発現象が発生し地球まで太陽の粒子が飛散します。その粒子が成層圏の大気と衝突するとその光がオーロラとなって極地方の夜空に輝きます。

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