グアム金環日食・ビーチ編

Keietsu Sayama

ホテルからココパームガーデンビーチまでの経路図
ホテルからココパームガーデンビーチまでの経路図・・・確か点線を通って行ったはず

(13)出発前の準備

今日(2019年12月26日)は金環日食が見られる日です。早めに寝たら朝6時過ぎに起きてしまいました。せっかく昼まで寝られるのに勿体ない。カメラの充電や持ち物の検分をしてシャワーを浴びたら、朝8時半です。少し遅めの朝食を取ります。ホテル出発が13時半と遅いので、機材の準備もゆっくりとできます。

もう一度二度寝したら、あっという間に出発時間です。必要な三脚を簡易バックにまとめてカメラはリュックに入れて出ます。黒い日食Tシャツにサンダルと言う軽装で金環日食を狙います。

普通のツアーと違って帰りが夜10時と遅いです。これは夕食を食べてからその場で星空観察をしてもらうよう配慮されたツアーです。

運命の観測地は、グアム北東にあるココパームガーデンビーチです。ビーチの山を越えたら米軍施設があり、夜は無人となるので星空観測には絶好の場所です。
半年前に購入した日食Tシャツ
半年前に購入した日食Tシャツ
(14)目からウロコが落ちる風景

ビーチに近づくに連れて未舗装の道路になります。運転手がバスのタイヤが穴ボコに落ちないよう、気を使って運転してくれます。そのため、かなりゆっくりとした運転になります。30分くらい揺れた状態でいたら、目の前に目からウロコが落ちるほどの綺麗な風景が飛び込んできました。ココパームガーデンビーチの海岸線です。こんな綺麗な海岸を見たことがなかったです。
目からウロコが落ちるほどの綺麗な風景
目からウロコが落ちるほどの綺麗な風景
二股を右に曲がり、ビーチの看板を横切ります。機材も軽くしたので、全てを持って改めてビーチの看板を撮ります。すると皆さん奥のテーブルがあるイスに案内されます。

普通のヒトの目的は、ビーチで泳ぐことです。皆さん午後3時には泊まっているホテルに戻るためバスが出発します。ちょうど観測準備が始まる時間なので、一般のお客さんがいなくなるまで日影で過ごして身体を休めて待ちます。
ココパームガーデンビーチの入口
ココパームガーデンビーチの入口
ツアー客の中には、シュノーケルを持ってきて浅く海中を潜るヒトもいます。普段海に行かないし、肌を焼けば赤くカブれる体質なので水着も持っていません。日影で時折吹かれる心地よい風に吹かれながらツアー客と雑談をします。

まだ午後3時前なのに、早くも撮影機材のセッティングをする方がいます。周りの水着客と私服で機材のセッティングをする姿が大変ミスマッチです。
シュノーケルをしたくなるような海
シュノーケルをしたくなるような海
水着客が帰り始めて海岸線は、太古の自然を取り戻しました。誰もいない海に我々金環日食観測ツアー客だけが残り、堂々と機材のセッティングを始めます。下が白い砂地で硬い地盤ではないので撮影に失敗しそうです。微調整が効くので、それに期待します。

太陽が欠け始めるまであと数分。SONYのビデオカメラは三脚の調子が悪く撮影を諦めました。Nikon coolpix 1000だけで金環日食を撮影します。
太古の自然を取り戻した海岸線
太古の自然を取り戻した海岸線

ココパームガーデンビーチで出された食べきれない量の昼食
ココパームガーデンビーチで出された食べきれない量の昼食

(15)ビーチで部分日食を撮影

最初に太陽と月が接する第一接触を迎えました。太陽は右下の方向からゆっくりと欠けて行きます。以前持って来ていたスカイメモTは結局役立たずなので、日本に置いています。もう売り時ですね。

頑丈な三脚もありますが、重量が嵩むので今回は置いてきました。三脚固定撮影なので、相変わらず太陽が中央に来ません。Kさんから次回に向けて良い機材を教わったので、次の観測までには導入します。電源スイッチを押すと自動的に太陽を追尾するそうです。
食分5%の部分日食
食分5%の部分日食
今回の日食撮影機材も前回チリで撮影した機材と一緒です。Nikon COOLPIX P1000にkenko PRO ND100000(角型)100×100とマルチホルダーG100にkenko アダプターリング77mm径をレンズの内径に付ければ部分日食が安全に撮影できます。写真は半分フィルターを外した様子です。

この写真はスマホで撮ったので、カメラ本体にピントが合っています。フィルターに書かれたロゴはピントが合わずにボケています。
金環日食撮影機材とND100000フィルター
金環日食撮影機材とND100000フィルター
グアムの解放感溢れる海岸線に居ても暑さは誤魔化せません。暑いというだけで疲れる体質なので、撮影の合間は日陰で椅子に座って休みますzzz

最近よく忘れる日食撮影スケジュールも出発ギリギリに作成して印刷したものを持ってきています。DATAはXavier Jubierさんが作成した資料から製作しました。
撮影の合間のお休み処
撮影の合間のお休み処
2016年のインドネシア・テルナテ島皆既日食の時に作成したExcelに第一接触・第二接触・第三接触・第四接触を入力すると自動で食分を割り出すツールを作ったので、それを活用します。

食分10%の部分日食も作成した資料から時間を割り出して撮ったものです。食分5%の部分日食と欠け方を比べても合っていますね。

白い砂浜の上に三脚を立てているので、撮影中にブレたり太陽が中心に来なかった写真の方が多いです。見栄えの良いものだけ紀行文に掲載しています。
食分10%の部分日食
食分10%の部分日食

観測場所の後ろにあったI LOVE COCOPALM
観測場所の後ろにあったI LOVE COCOPALM

(16)Kさんの赤道儀を確認

部分日食は8分に一回撮ればいいので、撮影の合間は時間が余ります。そこで、皆さんの撮影機材を撮影してみました。Kさんの赤道儀は、電源を入れるだけで太陽を自動で導入できるものです。これと同じ機種を観測後に教えてもらいました。

とても軽くて海外遠征に持って行くには重宝しそうです。
Kさんの赤道儀
Kさんの赤道儀
これは、半年前にアルゼンチンのサンファン皆既日食に行かれたさやまBさんと同じ機種ですね。と言うことはAZ-GTi×REDCAT51と言う機材を使っています。

ここで改めてさやまBさんの機材紹介文を再掲載します。
AZ-GTiは経緯台ながらGPS内蔵、自動導入・自動追尾をしてくれます。夜なら2-3の明るい星を頼りにキャリブレーションしますが、昼はそうはいきません。
Kさんの赤道儀に接続しているノートパソコン
Kさんの赤道儀に接続しているノートパソコン
REDCAT51の初期値水平はデジタル水準器を使ってみます。方角は、REDCAT51から垂らした2本の糸を結ぶ線を手掛かりにアナログコンパスとデジタルコンパスで南北を定めます。

ここに時間をかけたおかげで太陽追尾は250mmでの撮影には大きな支障がない程度までセットできました。やはりこれは楽です。経緯台自体は乾電池単3(6本)で駆動し重量は4s程度。購入して2か月弱でしたが、優れものと感じました。

上の写真では、導入を諦めたスカイメモが使われています。これは北極星を導入しなければならないので、自動導入できる赤道儀に比べて使用するパフォーマンスが落ちてしまいます。

次回購入する赤道儀は、KさんとさやまBさんの赤道儀と同じものにした方が良さそうですね。
さやまBさんの赤道儀
さやまBさんの赤道儀
でも今まで買い揃えた機材の中にはKenkoスカイメモS用 微動雲台を持っているので、カメラ三脚にマウントすれば使えます。

AZ-GTi×REDCAT51に装備されているアリミゾクランプではカメラ機材をマウントしにくいため、アリガタプレートにアルカスイスクランプを付けて変換すると二台くらいはカメラを載せられそう。

AZ-GTi×REDCAT51に付いているアリガタプレートの裏にネジ溝があるので、そこにスカイメモS用のバランスウエイト1kgを入れればカメラ丸ごと付けられます。

出来るだけNikon COOLPIX P1000の特性を生かしたいので、これもアリでしょう。確かNikon COOLPIX P1000付属のレンズにアリガタプレートを付ける枠などなかったので、これしか方法がありません。
Kenko (ケンコー) スカイメモS用 微動雲台
Kenko (ケンコー) スカイメモS用 微動雲台
右の画像はアルカスイスクランプです。この上にNikon COOLPIX P1000を載せます。アルカスイスクランプ右側の大きなつまみ状の突起が気になる方もいると思いますが、これは内蔵されている水準器です。左下と後ろの面にも緑色の囲いが見えますが、これらも全て水準器です。

水準器の真ん中に丸が書かれていますが、この中央に架台がくると天頂まで真っ直ぐ天地が合う撮影ができます。つまり撮影していて被写体がブレないと言うことです。
アルカスイスクランプ
アルカスイスクランプ
撮影のことなどそっちのけで長々と赤道儀について書きましたが、この紀行文はある意味これから検討する機材のメモも兼ねているのでご容赦ください。右の画像も手持ちの機材でスカイメモS用のバランスウエイト1kgです。これを赤道儀のアリガタプレートの裏にあるネジ溝に付けて逆側にカメラを付ける作戦です。

カメラはNikon COOLPIX P1000を使用。カメラ本体の重量が1415gあるので、バランスウエイト1kgの重りを末端側に移動すれば何とか対処できます。下の画像はnabeさんのブログから拝借したものです。この形を次の遠征に生かしたいと思います。
スカイメモS用 バランスウエイト1kg
スカイメモS用 バランスウエイト1kg

カメラ三脚に、ケンコーのスカイメモ用微動雲台でマウントしています
カメラ三脚に、ケンコーのスカイメモ用微動雲台でマウントしています

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