グアム金環日食・出発編

Keietsu Sayama
(1)初めて行くグアム

2019年12月26日金環日食〔サロスbP32…46/71〕は、世界協定時(UTC)3時34分頃にリヤドから北東へ約220 km離れたアラビア半島上で始まり、インド南部、スリランカ北部を経てインドネシア、シンガポール、グアム島を通過して太平洋西部で日没となります。

1サロス前の2001.12.14は、太平洋の北西ハワイ諸島沖の南部を横断して中米のニカラグアとコスタリカの国境沿いにかけて見られました。

グアムで金環日食が見られる…10月初旬に開催された日食情報センターの報告会に参加するまで遠征を考えていなかったです。

金環帯地図
2019年7月2日の皆既日食帯地図
色々調べてみると、これほど好都合なリゾート地で天文現象が起こるのはマレです。グアムと言えば、昭和末期に放送されたアメリカ横断ウルトラクイズのドロンコクイズが思い浮かびます。

番組は平成初期に終わってしまったので、ドロンコクイズのセットも当然片付けられているのですが、元号が変わった令和元年に初上陸と相成りました。

様々なオプションツアーがある中で、海面下45mの海底に潜れるアトランティスサブマリンが非常に魅力的で早速申し込みました。

ドロンコクイズのセット
ドロンコクイズのセット
今回は自力で参加するのも疲れてきたので、久々にツアーに参加します。西鉄旅行のツアーは初めて参加しますが、東京都内が本拠地の会社です。

ツアーの集合時間は12/24の午前8時に成田空港第3ターミナルです。普通の会社にお勤めの方なら早すぎる起床に辟易するところですが、現在勤務中の会社は朝が早いので、普段の起床時間と一緒の4:40に起きて撮影機材がある関係で併せて40kg近い荷物を運ぶので、タクシーを呼びます。
西鉄旅行のカウンター
西鉄旅行のカウンター
いつも乗っている列車と同じ時間に乗り、顔馴染みの通勤者を避けるように列車の最後尾に行きます。

上手いこと座席に座れて二回乗り継いで成田空港第3ターミナルに着きました。第2ターミナルから道中長くて500mほど歩いてからやっと到着。いつも歩くと朝は必ず大きいのをしたくなるので、用を済ませてから第3ターミナルへ。
成田空港第3ターミナルへ向かう歩道
成田空港第3ターミナルへ向かう歩道
ツアー会社の案内を受けて長蛇の列を成すチェジュ航空の搭乗手続きに向かいます。チェジュ航空はLCCの格安航空会社なので、機内サービスはありません。飲み食いのサービスを求める度にお金を取られます。

長蛇の列に同業者がいるか探したら、日食界では重鎮のO氏がいたのでご挨拶。東京理科大学の仲間内で観測されるそうです。O氏とは2001年6月21日のアフリカ・ザンビア皆既日食ツアーでご一緒しました。飛行機の座席が隣同士だったこともありました。

長蛇の列を成すチェジュ航空の搭乗手続き
長蛇の列を成すチェジュ航空の搭乗手続き
チェックインカウンターではトランクに一体型のデスクトップパソコンを持参していたので重量が嵩むと思いきや、2つのトランクの重量が併せて46kgを超えなければ良いとのこと。お馴染みの紫色のトランクには25kgの札が付けられてしまいましたが…

長蛇の列に1時間ほど並んでから、やっと解放されました。ここで今回同行される天文ツアーの講師、牛山さんを紹介されました。機内でも参加者の人数を数えていたので、ツアコンの性格も兼ねています。

成田空港とグアム空港それぞれに現地在住の日本人スタッフがいて、我々を案内してくれます。2016年以来、久々のツアー参加なので身も心も非常に軽いです。
天文ツアーの講師・牛山俊男さん
天文ツアーの講師・牛山俊男さん

チェジュ航空・グアム行き出発便
チェジュ航空・グアム行き出発便・・・2019年12月24日

(2)チェジュ航空から空撮

前回の成田空港では、機内手荷物にハサミを入れてしまいエライ目にあったので苦い教訓を生かしました。X線検査も何の問題もなく無事通過。いよいよ機上のヒトとなります。

チェジュ航空の搭乗待合室に充電コーナーがあったので、スマホの電力が減ったこともありフル充電しました。
チェジュ航空の機体
チェジュ航空の機体
搭乗待ちの乗客が多かったこともあり、チェジュ航空は定刻より遅れて出発しました。滑走路を走り始めたのが10時50分。右の三枚の空撮写真は、SONYのビデオカメラで動画と同時に撮った写真です。Photoshopで自動コントラストをかけています。

運行経路は成田空港〜霞ケ浦〜北浦〜鹿島港〜銚子→グアムへ向かうものです。運よく窓際のA席に座れたので、紀行文を見ている皆様にも空撮をご覧いただけます。
茨城県北浦
茨城県北浦
日本の海岸線の風景は素晴らしく見入ってしまいます。北浦の北には鉾田市がありますが、ここには毎年鉾田の夏祭りを撮影するために訪れています。そのお祭りでは、若いヒトの溢れるエネルギーで身も心も満たされます。

鹿島には馴染みがないのですが、鉾田から遅く帰るときに逆のルートで鹿島神宮経由で帰京します。言わずと知れた鹿島アントラーズの本拠地がある地域です。
千葉県鹿島港
千葉県鹿島港
銚子には行ったことがありません。銚子電鉄が廃線の危機を迎えるたびに、ぬれせんべいなどの奇襲戦法で鉄道本業以外にも売り上げを伸ばしているので辛うじて廃線を免れています。一度は行っておきたい鉄道路線です。

1970年代は、銚子商業が夏の全国高校野球で全国制覇を成し遂げています。それ以来、なかなか千葉県内でも勝てず、古豪の名を欲しいままにしています。
千葉県銚子市
千葉県銚子市

チェジュ航空と雲海
チェジュ航空と雲海

(3)グアムのアプラ港を空撮

飛行機がグアムに近づくと、だんだん高度が下がってきました。まるでグアムの美しい海岸線を見せつける飛行経路は非常に良かったです。このような写真も撮れて充分な景色を堪能できました。

グアム北東部の海岸をかすめて南西に進む飛行機は、アプラ港をぐるっと周回します。南北が合う形でアプラ港を空撮します。
アプラ港を空撮
アプラ港を空撮
アプラ港はグアム島中西部にある港。西に開けた入り江で、南側はオロテ半島が突き出し、北側には珊瑚礁上に防波堤が建設されて波浪をさえぎっています。

港の南部はアメリカ海軍の基地・軍港となっていて、北部が商業港です。南東部には奥まった入り江があり、内港となっています。 ここに後述するアトランティスサブマリンの港があって、高速船でアプラ港の中央南側に待っている潜水艦に乗りに行きます。
アプラ港の東側を空撮
アプラ港の東側を空撮
米軍が管理しているオロテ半島には目立った建物がないのですが、北部の商業港は空撮でも分かるような巨大な施設があります。ここは1969年にグアム政府に譲渡され、現在はグアム港湾局が管理しています。

アプラ港の大部分は米国海軍によって管理されていますが、ササ湾、ピティ海峡、ガラス防波堤の一部など、一部の港は公開されています。スキューバダイビングで人気のある難破船もあります。
アプラ港の東側奥を空撮
アプラ港の東側奥を空撮
アプラ港を周回した飛行機は、グアムの中心地があるタモン地区の南側にあるグアム国際空港に向かいます。グアム国際空港の施設が近づき、タモン湾の奥にある恋人岬が見えてくると着陸します。

着陸後、飛行機の出入り口が前方の一か所しかないので、やたらと待たされます。冬服のままだったので、待っている間にグアムの暑さを如実に感じます。やっと降りる順番が回ってきて、グアム国際空港の出入国ゲートと税関に向かいます。
チェジュ航空の機内
チェジュ航空の機内

グアム国際空港に到着したチェジュ航空
グアム国際空港に到着したチェジュ航空

(4)参加者全員と顔合わせ

グアム空港の税関を抜け、まだ税関を通れない方を待つため待合所で待ちます。ここで初めて参加者全員と顔合わせとなります。その中に1人見たことがある顔が…

2016年3月9日のインドネシア・テルナテ島皆既日食ツアーでご一緒したKさんでした。当時はセブンネットのツアーでしたが、100名近く参加したので全員と顔馴染みではありません。
Welcome to GUAM
Welcome to GUAM
でもロビーで有志が集まって出掛ける話しになり、その時に一緒に話したことがあるのでお互いに覚えていました。同じツアーになるとは思わず、久々の再会を喜びました。

ホテルに行くバスに乗り、車窓を撮影しているとツアー講師の牛山さんから「明日皆さんオプションツアーに参加される方もいるので、行動がバラバラになると思います。今夜の食事は顔合わせで皆さん参加しませんか?」とのこと。誰も異論はないので、夕食は皆さんと参加しました。何故か自己紹介はなく、単なる食事会です。
グアム国際空港の出入国管理
グアム国際空港の出入国管理
グアムに初上陸したのもチェジュ航空、初夕食も韓国料理と韓国づくめ。グアムでは日本人観光客が多く、日本語が通じるところだと思いました。行ってみないと分からないことが結構あります。

韓国料理はチジミと肉野菜定食のようなものを頼みました。一皿で12$と高く付きましたが、日本から205$持ってきたので残金はまだあります。色々と買うものも増えるかも知れないので、現金は多めにあった方が良いです。
韓国料理はチヂミと肉野菜定食”
韓国料理はチヂミと肉野菜定食
移動と税関の待たされ時間で疲れたので、トランクの検分をして風呂入って寝ようとしたら、思わぬケチが付きました。トランクが重いと乱暴に扱われることを考えないまま梱包したら、衣服で巻いたパソコンの両端のガラスが乱暴な扱いでヒビを入れられたのです。

本当に大事なモノなら、発泡スチロールで梱包したり最初から梱包された状態のまま、箱の中にパソコンを入れて手荷物で持ってくるべきだったのです。
ホテルの部屋・寝室
ホテルの部屋・寝室
日々多忙で、つい日本にいる感覚でパソコンをスーツケースの中に入れたのです。

一昨年アメリカ遠征でリンゴジュースの瓶が壊されて、スーツケースの中の衣類を全てステイ先で洗った教訓がまるで生かされていません。後悔が先立つグアムの旅となりました。

何故パソコンを持って行ったかと言えば、グアムのホテルでフリーWi-Fiが使えるので、インターネット環境に不自由したくないために持って行きました。その日の夜は不機嫌で、非常に睡眠が浅かったです。無理してでもノートパソコンを買うべきでしたかね?

旅先で頭が回らないのも困りものですが、相部屋希望者がいたのに全員1人部屋にさせるのもおかしな話です。少なくともKさんと私は相部屋を希望していました。

お陰でただっぴろい部屋に一人ぽっちです。今のヒトなら1人部屋が良いのでしょうけど、我々の世代は若いころにユースホステルに泊まって全国各地を旅した世代。相部屋は当たり前に受け入れてきました。相部屋だったら旅費が2万は浮いたのです。
ホテルの部屋・化粧台と冷蔵庫
ホテルの部屋・化粧台と冷蔵庫(下の扉を開ける)
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