1991/7/11 11:52’00” | メキシコ カリフォルニア半島先端のサンホセデルカボ | 北緯23゜04’ 西経109゜41’ | 1/30秒 | MINOLTA α−8700i | AF500mm F8+2倍テレコン | FUJICOLOR 100 |
写真説明 こちらは、1991年7月11日にメキシコ・カリフォルニア半島先端のサンホセデルカボの小学校校庭で撮影した皆既日食のコロナです。 今回の皆既継続時間は6分19秒と珍しく長時間見られました。つまり太陽が地球から最も遠い遠日点に近く月が地球から近い位置にあるので、これほど長い皆既日食が見られたのです。これと似た規模の皆既日食は、2009年7月22日に鹿児島県のトカラ列島〜小笠原諸島の北硫黄島にかけて観測ができます。中国の上海でも見られるので、そちらへ遠征する方が多いのかも知れません。 この日付をよく見ると、18年と11日後です。これは閏日に関係なく同じ周期に同じ規模で日食が見られるので、天文用語ではサロスと呼んでいます。このサロスNoは136番です。メキシコ皆既日食の2サロス前は1955年6月20日に東南アジアで見られました。フィリピンのルソン島・マニラでは約7分7秒もの長い皆既日食が見られました。この日は夏至で、太陽も遠日点にありました。これを超える規模は、2186年7月16日に大西洋沖で起こる皆既日食が7分29秒間継続します。ちなみにこのサロスNoは139番です。1988年3月18日に小笠原沖で見られた皆既日食の11サロス後となります。 題名のモヒカン刈りコロナとは、1999年や2001年に見られた極大期型のコロナが約1/20の確率で写真のように見られることを言います。例えば、ロックを志すモヒカン頭のミュージシャンを想像して下さい。普段のコロナはミュージシャンの頭が横向きで全方位型に見えます。今回はモヒカン頭を正面から見たような格好で見られたのでモヒカン刈りの頭に例えて題名としました。写真は横向きになっていますが、実際の太陽の方位は写真を縦にしたものなので本来のコロナは縦型に見えます。 このように見られたコロナは数えるほどしかなく、大変珍しい形のコロナだと言えます。ちなみに1970年3月7日にはやや変形したモヒカン刈りコロナが観測されています。 |