■パンパ地域の観測候補地 アンデス山脈の東方に広がる広大なパンパと呼ばれる肥沃な地域を流れるクアルト川は、コルドバ州南部を流れる河川であり、リオ・クアルト市はクアルト川流域の湿潤パンパ中央部に位置しています。この地理条件が、周辺の農業地域にとっての交通拠点となるリオ・クアルトの発展につながり、20世紀中に多くの屠畜場や食品加工工場が立地しました。 1971年5月1日、市内に国立リオ・クアルト大学が設立。会議、学会、セミナー、大学院課程などで、国内および海外の提携先から様々な専門家や知識人を招いています。長年にわたって教員や研究者のための研究室や講義を持ち、教育、文化、科学、研究の分野でコルドバ州南部の広大な地域の中心地の役割を担っています。42の課程の実施を通じて、4段階の学位(学士、修士、博士、プロフェッショナル)を与えており、科学技術訓練、職業訓練、科学的研究と文化的発展に貢献しています。 エストゥディアンテス・デ・リオ・クアルトとSBアテナスというサッカークラブが市内に本拠地を置いています。2006年には国際生物学オリンピックの開催地となりました。近隣には、リオ・クアルト・クラテルスという地質学的に稀な衝突クレーターの研究グループがあります。 リオ・クアルト市街の東北にリオ・クアルト空港があり、小型飛行機が毎週6便でアルゼンチン航空がブエノスアイレスへのフライトを提供しています。
■リオ・クアルトの気候 リオ・クアルトは、湿潤パンパ地域に典型的な、穏やかで四季がある気候です。夏は頻繁に雷雨があり暖かいですが、暑さはしばしば南風の時期によって短縮されます。平均最高気温は29度で過ごしやすいのですが、38度まで達することも。秋は3月に訪れ、冬は初霜と共に5月に訪れます。非常に乾燥した冬の間、気温は風のパターンによって大きく異なります。コルドバ山脈から吹き下ろされる北西風は真冬でさえも25度の気温(夜は肌寒いが)をもたらすことがあり、南風は日中の最高気温約6度という寒さをもたらします。気温はしばしば-5度まで落ちこみ、降雪は珍しくありません。 2007年には、15cm以上の降雪が町を覆い、気温は-11度に急落。最高気温は0度ですが、これは極端な例です。春には暴力的な雷雨や幅の大きな気温変化があり、霜が降りたり涼しい期間を過ぎると熱波に見舞われます。何年かに1度は冬期に恒例の雨不足が春まで続き、地域の農業にとって脅威となります。しかし、年平均降水量846mmのリオ・クアルトは概して農作物生産に好都合です。 ■Rio Cuartoの観測地 Rio Cuarto DATA 33° 06´ 39.4" S △T=69.4s 64° 20´ 37.0" W Magnitude at mid eclipse : 1.00884% Moon/Sun size ratio : 1.03472 total solar eclipse : 2m 00.0s Event Date Time (UTC-3) Alt Partial (C1) : 2019/07/02 16:30:48.0 +18.0° 0.00% (C2) : 2019/07/02 17:41:26.4 +06.5° 100.00% (MAX) : 2019/07/02 17:42:26.5 +06.3° 100.08% (C3) : 2019/07/02 17:40:47.5 +06.1° 100.00% (C4) : 2019/07/02 18:45:57.0 -05.4° 0.00% Sunset: 2019/07/02 18:19:00.0 -00.3° 34.15%Rio Cuartoの観測地で最適な場所が、Rio Cuartoの河川敷でしょう。太陽が沈む西の方角で皆既日食となるので、当日は大勢の現地人が集まるに違いありません。リオ・クアルトの河川敷での皆既継続時間は2分00秒です。リオ・クアルトの河川敷は、市街中心部に位置するにも関わらず西に沈む太陽が良く見えます。 右上の写真は、リオ・クアルトの河川敷から太陽の沈む西の方角に合わせてGoogle Mapをキャプチャーしたものです。当日は、河川敷の対岸に並ぶ木々のスレスレでコロナの光が輝くことでしょう。以下の地図に見える赤い点が観測地に選定した場所です。 この記事を記述した2018年9月初旬の段階では、リオ・クアルト市街地のホテルにまだ空きがありました。 |
■ロボスとロボス湖の観測候補地 今回見られる皆既帯で最大の都市がブエノスアイレスです。但し、ブエノスアイレスでは皆既帯にかかっておらず、部分日食のまま日没を迎えます。それでも99%の部分日食なので、かなり迫力のある日没となります。 ブエノスアイレスから南西に100kmほど進むとロボス市があります。ロボス市街を斜めに向かって皆既帯の中心線が通過しています。但し、地平線スレスレの皆既日食のため太陽高度が1度しかありません。 砂漠でない限り地平線の太陽をまともに見ることはほぼ不可能です。それでもこのサイトでは、地平線スレスレで運が良ければ見られる可能性のある場所を探ります。 ロボス市街では、木々や建物の高さが太陽を遮ってしまうので地平線スレスレまで開けている観測地を探す必要があります。 ロボス市から15km南に800haの面積を誇るロボス湖があります。ロボス湖の北端にVilla Loguercioと言う街があります。人口は約400人ほど。近くには、フォルティン・ロボス鉄道駅があります。その周辺にはホステルやキャンプ場もあります。2018年9月初旬の段階では、Villa Loguercioのホテルにまだ空きがありました。 ロボス湖を背にすると目前に沈む夕陽が見られます。地平線に接するコロナが見られます。Villa Loguercioでも建物や木々に遮られます。鉄道が通っている線を見る方向は、遮るものがないので観測候補地になります。 ■ロボス湖へのアクセス ロボス湖にはブエノスアイレス州・ロボス市から15km、首都ブエノスアイレスから115kmに位置しています。 首都から来るには、ルート205に乗り、ロボス市を通過しなければなりません。ロボス湖に達するまで4km以上舗装されたルートを利用する必要があります。 ロボス湖には、幅広いキャンプ場があり、その日に行く人のためにグリルテーブルと椅子を備えた公共の遊び場があります。 すべてのキャンプ場には、ボートを下げるためのドックとランプが付いた、湖へのすべてのサービスと直接アクセスがあります。 ■ロボス湖の観測地 Lake Lobos DATA 35° 17´ 02.0" S △T=69.4s 59° 08´ 51.1" W Magnitude at mid eclipse : 1.01319% Moon/Sun size ratio : 1.03317 total solar eclipse : 2m 03.5s Event Date Time (UTC-3) Alt Partial (C1) : 2019/07/02 16:35:04.9 +12.7° 0.00% (C2) : 2019/07/02 17:42:24.7 +01.5° 100.00% (MAX) : 2019/07/02 17:43:26.6 +01.3° 100.13% (C3) : 2019/07/02 17:44:28.2 +01.1° 100.00% (C4) : 2019/07/02 18:44:35.7 -10.0° 0.00% Sunset: 2019/07/02 17:53:00.0 -00.3° 85.12%ロボス湖周辺の観測地で最適な場所が、Laguna de lobosとSalvador Mariaを結ぶ道路沿いでしょう。太陽が沈む西の方角で皆既日食となるので、当日は大勢の現地人が集まるに違いありません。道路沿いでの皆既継続時間は2分03秒です。右写真はGoogle Mapからキャプチャーした写真で、写真の中央が太陽の沈む方向です。道端に車を停めざるを得ないのですが、この場所なら地平線を遮る木々がありません。但し皆既時の太陽高度はたった1度しかありませんので、個人的におススメ出来ない観測地です。 地図に見える赤い点が観測地に選定した場所です。 この記事を記述した2018年9月初旬の段階では、ロボス湖周辺のホテルにまだ空きがありました。 |