サンファン皆既日食・移動編

さやまB
【第二接触の61時間前】

この日は早朝伊丹から出発しました。丁度G20主要国サミットの翌日。議長を務めた我が国総理大臣を東京にお連れする政府専用機と、米国輸送機のお見送りを受けました。 新型B777を2機揃ってみるのは初めてです。
政府専用機と米国輸送機
政府専用機と米国輸送機
福岡を経由しソウル・インチョン空港に向かい、いよいよログポーション機中2泊の旅から出発です。食べては寝て食べては寝ての繰り返しですから、積んどくで読めていなかった本をたんまり持参しての搭乗。 勿論、この段階で同志と思しき方はおられません。

【第二接触の37時間前】

機中2泊目のコロンビア上空で東の空。窓の外を見ると、おうし座と皆既日食1日半前の月に出会います。
おうし座と皆既日食1日半前の月
おうし座と皆既日食1日半前の月
おうし座は、V字の角を相当したに向けているので判りにくかったのですが、ひっそり静まる機内で一人興奮していました。 機内からの撮影はなかなか難しい〜。

月は月で、「あの月が明日の夕方には太陽に重なるのか〜」と思いをはせさせてくれつつ、 普段は見えないであろう細さで輝く月の姿と、だんだん空けていく大西洋の暁に眠りを忘れてしばし見入っていました。
おうし座と皆既日食1日半前の月
おうし座と皆既日食1日半前の月
【第二接触の25時間前】

長旅の末、ブエノスアイレスに到着。真冬といってもケッペンの気候区分CFa温帯湿潤気候の特徴でしょうか。東京の11月くらいの印象です。空はどこまでもどこまでも青く、天気予報も晴れ!次の日に備えて準備して早寝です。でも初めてのブエノスアイレス。軽い夕食を探しに運河沿いを歩き、結局22時就寝でした。

ちなみに。この日、なんとドルからの換金はできたものの、日本円からアルゼンチン通貨への交換をするところが、首都ブエノスアイレスではできないことにちょっと焦りました(数か所できる場所があるようですが、次回(2020年)は米ドル多めで行くことが教訓です)。
南米の気候区分
南米の気候区分
【第二接触の12時間前】

睡眠時間6時間くらいで朝2時半に起床。ブエノスアイレス5時半発のフライトで狙いのサンファンに向かいます。

日本からはトランクに預けていた三脚をデイパックに括り付けて機内持ち込みしようとしましたら、「これはオーバーサイズだね。預けて~」と言われ、ビニールでぐるぐる巻きにされた状態で預かってもらいました。

日本には少ないですが、このぐるぐる巻きを専門とする業者はお見事。裸の三脚2本を取っ手付きのバックみたいにしてくれました。お値段850円なり。

サンファンは1日4便程度の国内線のみが来る場所ですのでターミナルも小さいものですので機内から降りた方で狭い狭いロビーはごった返します。
ビニールでぐるぐる巻き
ビニールでぐるぐる巻き
到着したのは7時25分ですが、まだ真っ暗!日の出の8時過ぎを目安に、離れのコーヒーショップに行こうとしたら、「パタゴニアと皆既日食」と書かれた日本語のボードを持つ現地の方に袖をつかまれます。 どうやら機体後方に日本人の方10名程度が乗っておられた、その方々のツアーが同じ早朝フライトでの移動だったようです。

明るくなり始めた時間からタクシーを使って場所探しです。一緒にきてもらった通訳の方、全開でドライバーと盛り上がっています。
まだ真っ暗
まだ真っ暗
先ずは、空港そばの空き地。ここはB727が3機放置されています。サンファンまで来ると砂漠気候区分に変わります。湿度の低い砂漠の気候が機体劣化を防ぐのでしょうね。

米国にもモハベのような機体放置の場所があり、同じですね、この場所は道路脇に空き地があり、高度10度の太陽を遮るものがない絶好の場所であることは確認できました。アンデス山脈も近いといってもまだまだ遠く、観望の支障になりません。
B727が3機放置
B727が3機放置
サンファン空港は市内中心部から見て東南東方向にあります。空港からタクシーで市内に向かう際、「西が開けているところ」を数か所探しましたが、機体3機の場所に勝るものはなく、結局ここでの観測を早々と決定。 時間は午前10時前でしたから、5時間ほど市内を観光しました。大西洋に面したブエノスアイレスは交易、移民の町として栄えてきましたが、 そこから800q程内陸に入っているこの地の方々の顔つきはブエノスアイレスの方とは異なり、アンデスを源としチリとの交易で苦労された彫の深い印象です。 サンファン空港
サンファン空港

サンファンの皆既帯
サンファンの皆既帯

【サンファン観光】

一方、古生代から数代にわたる恐竜の完全骨格が発掘されるなどその筋の方にとっては有名な場所らしく、駅を改装した恐竜博物館も楽しめました。

普段はバックヤード作業である発掘した化石の砂を削り出し、きれいにしていく作業をガラス越しに見ることができました。
恐竜博物館
恐竜博物館
アルゼンチン第7代大統領を務められたサルミニエント氏の生家。「教育の父」と呼ばれた方で 多くの改革により国を導いた中でも公共教育の推進に尽力された、国民どの方もご存じの方で 玄関先でベンチに座ってこの国の行く先を案じておられるように見えました。

恐竜といいサルミニエント氏、そして砂漠気候を生かしたワインといい、小さいながら文化的な 香りのする街です。

そろそろ日食に頭を切り替える時間です。 日食フェスティバルもありますとインフォメーションセンターで教えられるも、 その場所は皆既帯で二分された南側「皆既にならない場所」でした。スタジアムらしく、場所優先だったのかもね。
サルミニエント氏の生家
サルミニエント氏の生家
市役所前のレストランでランチ中、地元TVが恒例、各地の様子を中継しています。

サンファンから90qほどドライブすると皆既中心線上にあるベラビスタという場所があり、そこに続々と人が集まっているという報道をずっとやっています。
地元TV
地元TV
アルゼンチンは2019年、2020年、と2年連続で皆既日食が見えることもあり、しかも、今日が全国的に快晴ですからテンションが上がっている様子が伺えます。

そんなTVを見ながら14時を回りましたので、タクシーで観望地に。今朝のタクシーを降りるときに、午後迎えにきてね、とドライバーを予約しておいたので楽ちんです。
皆既日食告知看板
皆既日食告知看板

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