テルナテ島皆既日食・検証編

Keietsu Sayama

サッカー場観測地とテルナテ日本村の位置
サッカー場観測地(Gelora Kie Raha Ternate)とテルナテ日本村(Jalan Lain)の位置

サッカー場観測地とテルナテ日本村の位置
ガマラマ山の南斜面からテルナテ日本村を撮影された画像 Photo provited by Babak Tafreshi

(21)皆既中の本影錐で雲の位置を検証

Babak Tafreshi氏がテルナテ島ガマラマ山の南斜面からテルナテ日本村を撮影した皆既中の本影錐を見ると皆既中の雲の様子が良く分かります。

幸運にもテルナテ日本村上空では、皆既中に雲から離れたところで皆既日食を迎えたので良好な観測が得られました。ところが本来の観測地であるテルナテサッカー場では、少し雲の位置が左にずれたところから皆既日食が始まって最後まで薄雲の中での観測になりました。普通であれば海風の影響で海岸に行けば行くほど雲が多くなるのですが、今回の雲は山側の斜面に雲が貼りついていたことが原因のようです。

カメラをもう一台持って来ていれば皆既中の本影錐を撮影できたのですが、2台で太陽の拡大動画と写真を撮らざるを得なかったので、テルナテ日本村にWILD NAVIのツアーで観測された藤井龍二氏に弊サイトへ掲載の御協力をお願いしました。

この雲の位置ですと、南側のティドレ島が快晴で観測できたことが良く分かります。ちなみに、昨年書いた記事にもティドレ島の観測DATAを掲載しています。
皆既10分前の木漏れ日
日本村の皆既中の本影錐:藤井龍二氏撮影
ここで2枚の写真を紹介します。皆既日食遠征は初めてですが、見事な第三接触のダイヤモンドリングとプロミネンスを撮影された脇屋徳尚氏の写真です。

この写真も雲の影響を受けていますが、逆に薄雲が掛からないと見られない雲間からのシャドーバンドが見えています。画像をクリックすると拡大されるので、皆様ご確認ください。左斜め下に向かって薄い筋が伸びています。これが薄雲に映ったシャドーバンドです。快晴の下では、シャドーバンドが地面しか確認されません。しかも、地面が白くないと確認が難しいです。巨大なプロミネンスもハッキリ見えています。とても初遠征の方が撮った写真とは思えません。
脇屋徳尚氏が撮影した第三接触のダイヤモンドリング
サッカー場で脇屋徳尚氏が撮影した第三接触
時系列は逆ですが、次も脇屋徳尚氏が撮影した内部コロナの写真です。コロナの流線がハッキリと見えています。雲越しでもある程度の光量があれば、薄雲を通して内部コロナまで見られます。

雲があると、シャッタースピードを遅くしないとコロナを撮るのは難しくなります。次回は、このようなレベルの高い写真を撮りたいものです。

皆既中の天候をまとめるとスラウェシ島・パランカラヤ・パル・ティドレ島・テルナテ日本村・グアム沖(ぱしふぃっくびいなす)は快晴。薄曇りがブリトゥン島・バリクパパンの都市部・テルナテ島のサッカー場・パレンバンの一部。見られなかった地域は、バリクパパンのバブルー村・パレンバンホテル組でした。今回は東へ行けば行くほど、南へ移動するほど晴れました。
脇屋徳尚氏が撮影した内部コロナ
サッカー場で脇屋氏が撮影した内部コロナ

betamiaplacidus 氏がパルで撮影した巨大プロミネンス
betamiaplacidusさんがテルナテサッカー場で撮影した皆既中の本影錐:太陽の右上に金星が見える

(22)祝勝会と停電

観測が終わりホテルでシャワーを浴びて一眠りしたあとは、AコースとBコースが一堂に会する祝勝会です。

ツアーを離脱した2人以外、全てテルナテサッカー場での観測なので祝勝会と言うよりは天候的に△だったので微妙なところです。テルナテ島にしては、割と規模の大きなレストランです。100名のツアーが一堂に会する場所なんて限られたものです。
レストランの入口
レストランの入口
テーブルの頭上に輝くシャンデリア…どこか場違いな場所に来てしまったようです。100名のツアーで、このレストランにはどれだけのお金が入るのでしょうか?

装飾に凝っているのはアジア特有のものだと思います。6年前に日没金環ツアーで中国の青島に遠征しましたが、そこの中華飯店でもきらびやかで豪華なシャンデリアがやけに目立ちました。店名も海鮮巨无覇と言う誇らしげな屋号でした。 そこで出された牡蠣は非常に美味しかったです。
レストランのシャンデリア
レストランのシャンデリア
夕食が始まるまで時間があったので、バイキングで出された料理を撮りました。100名のツアーならすぐになくなってしまうほどの量です。挨拶が終わり、バイキングに人々が殺到します。

日本人ですから、キチンと列をなして順番に好きな料理を取り分けています。Aコースにいた方々は、この場を離れると後はジャカルタ空港しかお会いできなくなってしまうので、なるべく知り合いには声を掛けました。自分の席に戻って今宵の食事を撮影します。
バイキングで出された料理が並ぶ
バイキングで出された料理が並ぶ
いつもと同じ食事が並んでいますが、焼きそばのようなものがおいしそうだったので取りました。これが意外に美味くてまた取りに行ったほどです。インドネシアで出されるスープはどれも辛いです。口当たりは辛く感じませんが、後からジワジワと辛さを感じます。

突然ポン!と言う音とともに照明が暗くなりました。物の1分ほどで復旧しましたが、またポンと鳴って照明が消えてしまいました。どうやら追加で料理を作っている最中に負荷がかかって電源が切れた模様です。
今宵の食事
今宵の食事

日食によって地球に映った月の影
日食によって地球に映った月の影

(23)観測終了後の検証会

夕食後、すぐにブルバードホテルに戻りました。井上さんはすぐ部屋に戻りましたが、私は同じツアーの人と話してみたい思いがあり、ロビーに残りました。すると昨日集まった面々が揃いました。

メンツは先に機内で隣同士だったKさん、白いシャツが似合っていたWさん、京都で副住職をしている平成生まれのHさん、紅一点のOさん、それと私です。

ノートパソコンを持ってきたWさんの写真と動画を撮ったKさんの写真を見せてもらいました。こちらは日本村で撮ったばかりの動画を見ていただきました。Wさんの写真が素晴らしかったので、弊サイトに掲載許可をもらいました。それがサッカー場で脇屋徳尚氏が撮影した写真です。初めて撮影したとは思えないです。

写真と動画を脇屋さんの共有フォルダに送信して、ここにいるメンバーに共有フォルダのURLを記載したメールを送信しました。大きなファイルだったので、DATA送信に時間が掛かりました。送信が終わってしばらくすると脇屋さんのパソコンで充電した電源が切れてしまい、それ以上見ることが出来なかったです。

副住職をしているHさんのパソコンをお借りして、日食掲示板に新たな報告が来ていないか確認したものの動きはなかったようです。厚い雲に覆われ、日本では札幌を除いて部分日食すら見られなかったそうです。
ホテルの部屋にあったTVとクローゼット
ホテルの部屋にあったTVとクローゼット
様々な方に支えられたテルナテ島の夜も今夜が最後です。解散後、どこへ行くこともなくそのままホテルの部屋に戻りました。シャワーは夕飯の前に浴びたので、機材の充電と皆既日食番組が放送されているか確かめるためにTVはつけっぱなしにします。それでも大した番組が放送されることもなく、電源を切ります。

ホテルのシャワー環境を嘆いた女性もいましたが、人口95000人しかいないので外国人も殆ど訪れない土地にあってはこれが精一杯の設備ではないでしょうか?

実は最初テルナテ島に来た時に乗ったバスのタラップが高すぎて、着地した時に左足を痛めてしまいました。帰国後一ケ月たった今でも左の足首を曲げにくいし、一日働くと足が腫れてしまうので常にシップを貼っています。この時は痛めたばかりなので旅行中に影響はなかったです。それから道中はタラップの低い小型のバスに乗るようにしました。

送迎の仕事で車を運転していますが、左足は使わないので助かっています。普段から着地は左足でしていたので、どこに落とし穴があるのか分かりませんね。

ホテルの付属品ですが、水は600mlのペットボトル2本、バスタオル1枚、石鹸1つが1日分もらえます。トイレットペーパーは2日で1つです。たまに外国人が泊まることもあるので、普段からトイレットペーパーを用意しているのでしょう。水をもらえたのが助かりました。
ホテルの流しとデザインされた鏡
ホテルの流しとデザインされた鏡

日本村に残ったメンバーで記念撮影
テルナテ市街の地図:白…サッカー場、緑…モスク、橙…郵便局、青…ブルバードホテル

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