往復940km車で走って眺めた金星の太陽面通過 2

-2012年6月6日 金星の太陽面通過-
小山田博之
○待つ時

湖北みずどりステーションに到着して、駐車場の片隅に駐車。三脚を設置して、トイレや自動販売機をチェックした。 周りを見渡すと車は数台止まっていたが、同業者はいない感じだった。ここからは琵琶湖が良く見えて、心地よい北の風が吹いていた。 時間があったので、しばらくは車の中で、相方共々休むことにした。

6時ごろ空腹で目が覚めて、コンビ二で調達した朝食を取った。その後は望遠鏡をセットしていった。この頃には、犬の散歩の人やウォーキングの人が駐車場内を通るようになった。 何をやっているの?とか、どこから来たの?と聞かれ、今日の金星の太陽面通過を見るために関東から来たことを言うと、皆さん驚いていた。
湖北みずどりステーション駐車場
湖北みずどりステーション駐車場
相変わらず太陽には雲がかかっていたが、晴れ間は徐々に広がっている感じだった。早く退いて欲しいと思ったのは言うまでもない。

ラジオを聴きながらテスト撮影を済ませて、そのとき(第1接触:7時10分)が来るのを待つことにした。

ちなみに太陽面は黒点が多く、前回のようなのっぺりとした太陽面を通過することはなさそうで正直ほっとした。


○トラブル続きの第2接触
太陽面通過 1時間前の空
太陽面通過 1時間前の空
太陽の一部を撮影するバイザックは、第1接触の頃から20秒ごとに3段階露光の撮影を開始した。同時に太陽全体を写すsky90も撮影を開始した。 こちらは追尾装置が不調なために、撮影のたびごとに太陽を視野内に入れて撮影を進めることにした。

金星が突入すると思われる部分に向けてその時を待った。するとしばらくたったら、明らかにへこんでいる部分を見つけた。早速構図を修正して撮影にかかった。 視野内の太陽はシーイングが悪く、ピントが合わせにくかったが、とにかく撮影を進めていった。
観測機材
観測機材
先ほどまで少しへこんだ部分が、次第にはっきりしてきた。8年前のときと同様、水星に比べてその影は相変わらず、デカくてその動きは遅かった。 順調に撮影を進めていったが、赤道儀の追尾が不調でコントールボックスでいくら指示しても動かないことも発生した。

そしてトラブルは発生した。第2接触直前でモータードライブが突然停止してしまったのである。太陽は視野内から消えてしまった。本当に肝心なところである。 慌てて視野内に太陽を入れようとするが、結構?拡大しているために、なかなか収まらない。やっと視野内に入った太陽は、すでに金星を抱きこんでしまった太陽であった。 しかし時はすでに戻らないので、黙々と撮影を進めていった。この合間でもsky90による撮影を進めていったが、当初予定の30分毎から10分毎に撮影することにした。 そして、この頃日食グラスで太陽を見たが、金星の様子は言われてみれば分かるという程度だった。 少し余裕ができたので、持参した水を飲んだりトイレに行ったりした。空はいつの間にか晴れ上がり、青空の中に太陽がギラギラと輝いていた。
第2接触
第2接触

○のんびりとした太陽面通過

2004年の金星の太陽面通過のときと同様、第2接触を過ぎてからは気が抜けてしまった。 しかしながら、追尾装置がないsky90での10分毎の段階露光、及び黒点と金星とのランデブーが期待できたので、完全に暇というわけではなかった。

北の風は強く、時折望遠鏡を揺らすことがあったが、照り焼き状態を覚悟していた私にとっては、涼しく心地よかった。 車の中にいた相方は直射日光を避けるために日よけのタオルを持参してきて、うまく遮っているみたいだった。 望遠鏡の方は、温度上昇によるピントのずれが考えられるので、sky90にはタオルを巻いた。そして時折、ピントのチェックを行うことにした。
黒点と金星の移動
黒点と金星の移動
道の駅は9時から営業開始ということだったが、8時30分ごろから開店準備が行われ始めた。次第に車の出入りも多くなっていった。

と言っても、私が機材を広げていても邪魔になるという程度ではなかった。それどころか見せて欲しいということで、相方と持参していた日食グラスを手渡して、見せてあげた。

ちなみに日食グラスで見る太陽には、第2接触時直後と異なり、小さな黒い点を容易に認めることができた。
湖北みずどりステーション
湖北みずどりステーション
9時になると駐車場内にBGMが流れ、道の駅の営業が本格的に始まった。 入り口には時々、長浜・戦国大河ふるさと博のマスコットキャラクターの三成くん*が立っていて愛嬌を振りまいていた。

*ゆるキャラ三成くん:長浜・戦国大河ふるさと博開催(3/24〜12/2)に合わせた限定キャラクター

私が望遠鏡を広げているところにも夫婦や団体客が来て、何人からは見せて欲しいということで、相方共々日食グラスを手渡して金星がある場所を時計の文字盤に例えて教えてあげた。 バイザックでの拡大撮影、及びsky90による10分毎の撮影の合間には、日焼け止めを塗ったり、顔を洗ったり、歯を磨いたりした。

風が吹いているとはいえ、ずっと外に出て直射日光を浴びたために、のどが渇いていった。 はじめは自宅及びコンビ二で購入した飲み物を飲んだが、さすがに無くなってしまった。そこで道の駅の自動販売機で購入し、飲み干した。昼になると駐車場はさすがに混んできた。
三成くん
三成くん
お腹も空いたが、撮影したり、眺めたりして、そんな時間は無かった。 それでも相方が買ってきたテイクアウト用のたこ焼きをほおばることができた。ラジオのニュースでも金星の太陽面通過のことを頻繁に流していた。

この頃、北西から雲が流れてきた。時折太陽が隠されたときもあったが、予定通り撮影を進めていった。 ムードを出すためにフィルターをはずして、高速シャッターで雲越しの太陽を撮影した。 これらの雲、今はまだしも、第3接触〜第4接触時には来ないで欲しいと思った。
雲ごしの太陽面通過
雲ごしの太陽面通過
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