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冥王星の2つの衛星に名前に名前がつけられました。
(以下、アストロアーツニュース抜粋)
「ニクス(Nix)」と「ヒドラ(Hydra)」 - これが、2005年5月に発見された、冥王星の2つの新衛星につけられた名前だ。発見した研究グループの申請を受けて国際天文学連合(IAU)が正式に決定したもので、どちらも神話における冥界に関係している。
冥王星の衛星が3つになったのは、冥王星自体の発見から75年、そして巨大な衛星カロンの発見から27年も経った、2005年5月のことだ。アメリカの研究グループがハッブル宇宙望遠鏡の撮影した写真から2つの新衛星を発見した。それ以来、外側の衛星にはS/2005 P1、内側にはS/2005 P2という仮符号がつけられていたが、それぞれ正式に「ヒドラ」と「ニクス」と命名されたのである。
発見したグループは、2つの衛星のため名前の候補を20個以上用意したようだが、やはり冥界と関わりのある神話上の名前が選ばれた。冥王星の英語名は「プルートー(Pluto)」で、ギリシャ・ローマ神話における冥界を統べる神の名前だ。また、最初の衛星カロン(Charon)は冥界の川の渡し守である。ギリシャ神話で、カロンの母親は「ニュクス(Nyx)」という夜の神。そこで、"Nyx"がS/2005 P2の名前としてIAUに申請されたが、この名前はすでに小惑星に使われていたことから、エジプトの神でニュクスにあたる、「ニクス(Nix)」が採用された。一方、「ヒドラ」といえばギリシャ神話における9本首の化け物としてよく知られているが、冥界を守る怪物でもある。こちらは、夜空に輝く星座の1つ「うみへび座(Hydra)」にもなっている。
他にも冥界に関係している人物や怪物は数多く存在するが、「ニクス」と「ヒドラ」が選ばれたのには科学者たちの強いこだわりもあった。"Nix"と"Hydra"の頭文字、"N"と"H"は、今年打ち上げられた冥王星探査機「ニューホライズンズ(New Horizons)」の頭文字にも通じるのだ。2015年の夏に冥王星に到着するニューホライズンズは、「ニクス」と「ヒドラ」に続く新衛星を発見することも期待されている。さらに、「ヒドラ」は9本首の化け物。「9番目の惑星」にふさわしい名前だ、と発見したグループは主張している。
そう、今、冥王星の「9番目の惑星」としての地位が揺らいでいるのだ。冥王星軌道付近には「エッジワース・カイパーベルト天体」と呼ばれる無数の小天体が存在し、冥王星に近いサイズのものが数多く見つかっていて、ついには冥王星よりも大きい天体「2003 UB313」も発見された。そして今年の8月、IAUはついに、初めて「惑星」の定義を正式に議論して決定する。はたして「ニクス」と「ヒドラ」の存在は、冥王星の地位を守る助けとなるだろうか?
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