極小期のコロナ 佐山敬悦

極小期のコロナ

日時(現地時刻)1995/10/24 10:54:30
撮影地タイ チョクチャイ サマーキー高校
緯度・経度北緯14°45´N 東経102°10´
露出1/2秒
機材MINOLTA α−707si
レンズAF 500mm F8 x2倍テレコン
フィルムフジカラースーパーGエース400

写真説明

こちらは、1995年10月24日にタイ東部のチョクチャイで撮影した太陽活動極小期型のコロナです。斜め方向にコロナの流線が伸びています。これは極大期型に比べ黒点の数が少ないために太陽内部の活動が低下して、磁気中性面が平衡を保つために有翼日輪型の横が長いコロナとして見られます。コロナと垂直な面で見える流線は太陽磁場の磁力線です。この磁力線が見える時期が極小期型の特徴です。

 コロナは太陽の強烈な光に隠されて普段は見られません。月が太陽を隠す皆既日食の時にだけ見られます。これは大変かすかな現象で、実際の明るさは内側の内部コロナで満月の月と同じです。外側の外部コロナは三日月に見える地球照(月の暗い部分が地球の昼の光で月に反射して見られる現象)と同程度と言われています。

 コロナの温度は100万度とも200万度とも言われています。太陽表面の平均温度は約6000度なので不自然ですが、コロナの温度が高いのはプラズマと言う太陽から発せられる粒子の粒で説明できます。このプラズマの原子同士が高速で衝突した時に物凄いエネルギーが発生します。コロナをフラッシュスペクトルで分析すると、鉄の分子が電離した状態で表示されます。これは鉄分子が電離した時の温度は100万度〜200万度でなければ説明がつかないのでコロナの温度は高温なのです。
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