■観測場所の位置 2012.5.21は香港から米国にかけて金環日食が観測されます。これは日本で一番人口の多い太平洋ベルト地帯に沿って関東に延びるので、日食が見られることを知らずに目にする方も多いでしょう。 米国で金環日食が見られる地域は、以下の地図の通りです。このうち真円の金環日食で日没の瞬間に近い状態で見られる大都市にアルバカーキがあります。ここでは、金環日食になった瞬間で太陽高度が5.6度しかありません。地平線の雲に遮られる可能性もあり、また雲越しに金環が見られる可能性の高い観測地となります。それでも地平線近くで見る金環日食ほど魅力的なものはないので、海外旅行を兼ねて日没金環日食を楽しむのも良いかも知れません。 ■観測地点のデータ 右は2010.1.15に中国青島市内で撮った日没金環日食です。この時は、正午中心食が11分以上継続する規模の大きな金環日食でした。日没金環となった青島では7分しか継続しなかったのですが、日没なので肉眼で観測出来ました。 アルバカーキで見られる金環日食も、この規模となります。日没に近い位置ですが、太陽高度が5°になるので減光フィルターが必要です。一番簡単な確認方法は、木漏れ日で地面に映った太陽像が金環になることです。これは部分日食から確認できるので、減光フィルターを持っていない方々にお勧めです。または盥に墨汁を垂らした水を見ても同様に太陽の欠け具合が安心して確認できます。 以下、金環帯周辺の観測地DATAです。地図に書かれているUTとは世界時間なので、UT+8時間で中国の現地時間となります。 アルバカーキで観測するには、Xavier Jubier氏のサイトで詳しく観測場所を自分で決めるのも楽しい作業です。 ここは乾燥地帯ですが、アルバカーキ国際空港が中心線近くに位置しています。南へ行けば行くほど真円の日没金環日食が見られるでしょう。そのまま金環日食が終わっても部分日食のまま太陽が沈むので、チャンスがあればノーフィルターで撮影するのも面白いです。 以下、アルバカーキの金環日食DATAを紹介致します。 アルバカーキ市内 34° 59' 14.11" N △T=66.6s 106° 34' 50.16" W Magnitude at mid eclipse : 0.96609% (食分) Moon/Sun size ratio : 0.93248 annular solar eclipse : 4m26.5s Event Date Time Alt Event 太陽の状態または欠け具合 (C1) : 2012/05/21 17:28:31.4 +18.2° Time (UT) UTとは世界時間。現地時間はUTから 7時間引く (C2) : 2012/05/21 18:33:43.1 + 5.5° Alt 太陽高度 (MAX) : 2012/05/21 18:35:56.4 + 5.0° Moon/Sun size ratioとは、月に隠された太陽の比率を言う (C3) : 2012/05/21 18:38:09.6 + 4.6° △T 太陽と月の日周運動に対する運動量の割合 (C4) : 2012/05/21 19:36:28.9 - 6.0° △Tについては、こちらで説明しています。 |