■観測前の様子
ツアーに参加していた人のほとんどが現地の人がむやみに入れないようにテープ及び注意書きを張ったMFRの敷地内でセッティングを行っていたが、S条氏は塩田さんがシミュレートした連続写真撮影と同じ写真を撮影するために、海岸線沿いの高台に陣取っていた。
7時過ぎになると皆さん陣取り合戦・機材のセッティングが完了、太陽の欠けるのを今か今と待ち構える状態になっていた。私は他の人の機材をカメラに収めていった。
ちなみに、日食情報センター塩田さん作成の資料によるMFRでの日食予報は、現地時間で以下の通りであった。ハオ島MFRのGPS・・・南緯 18度 6分17秒
西経140度54分19秒
・第1接触: 7:24´45"
・第2接触: 8:41´35"
・食の最大: 8:43´19"
・第3接触: 8:45´01"
・第4接触:10:13´08"
(予報計算は、EclipseNavigator2による)
■薄雲越しの黒い太陽
7時24分過ぎ、いよいよ太陽がかけ始めた。 タイムキーパーは、我々の観測場所の敷地内の最前列でPTSの方が太陽に背を向ける形で行っていた(すごい!!)。
空は晴天であったが、南東のほうから雲が時折横切る状態であった。熱帯地方であるために、雲の発生はやむを得ないとしても気になるものは気になった。
撮影のほうは、sky90の直焦点撮影を10分おきに段階露光で行った。昨年はレデューサーを入れたが、拡大率を上げるためにレデューサーは入れないで撮影を進めていった(周囲の像が甘くなるのはやむを得ないと思った)。
魚眼レンズの方は、皆既日食が始める数分前に撮影を開始するものとした。こちらは、自動で段階露光を設定できるようにした上で、インターバル撮影を行うことにした。10分ごとの撮影の合間も周囲の機材や木漏れ日の撮影を行った。
木漏れ日以外にも他の人の望遠鏡にセットされた太陽投影板の太陽像や、麦藁帽子による欠けた太陽を撮影していった。
雲のほうも相変わらず海のほうから来ては時折太陽を隠しては通り過ぎていった。ちなみ8時ごろには、市長が我々の観測場所を訪問していた。MFRの周囲には、現地の方も日食グラスを手にした地元の方も集まりつつあった。
私が望遠鏡をセットした場所は現地の人が入って来なかったが、MRFスタッフは我々と観望
をしており、ピンホールカメラや太陽投影板がある望遠鏡の前では人山ができていた。
太陽は次第に細くなってきた。しかしそれに合わせて雲の量も増え始めて、雲の間で皆既を迎えられればベストの状態になってきた。
皆既日食10分前になっても慌しく雲が横切っていった。時折彩雲も見られたが、クリアな状態で皆既を迎えたい私にとってはそれどころではなかった。悪いことに単に東から西に移動するばかりでなく、太陽のそばで雲が発生する状態になってきた。
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