炎天下の皆既日食・帰国編
炎天下の皆既日食・帰国編
Keietsu Sayama
(25)帰国の途に着く
新聞を翻訳して下さった胡さんにお礼を言い、部屋に戻ります。同室のマサ様と会話が弾み、結局3時間くらいしか眠れずに朝を迎えます。モーニングコールが6:00に鳴りました。6:30までにスーツケースの荷物を揃え、非常に眠い中、朝食を摂ります。

朝食後、ロビーに置かれている荷物の確認を終えてホテルを7:30に出発します。誰もいない朝の烏魯木斉は、これから嵐の乗換えを予感させるような静けさでした。何だか移動ばかりで、ずっと中国に住んでいたような錯覚を感じます。

烏魯木斉〜北京上空を空撮
バスは烏魯木斉空港まで移動します。空港の入口では手荷物にX線を通さないと中に入ることが出来ません。入口のあちこちに行列が出来ていました。添乗員と胡さんが手続きしている間、待機します。その時、先発隊で我々より2日前に現地に行って個人で観測した天河星さんがいました。同じ飛行機に乗って帰国するとのこと。久々の再会に喜び色々と情報収集します。伊吾で観測されたそうですが、伊吾でもかなり危なかったそうです。雲が山の地形によって西に集まるので、部分日食は雲に覆われながらの観測でした。皆既日食の数分間だけ雲の隙間からコロナが見られたそうです。
新疆電視台カラーバー
日食貧乏天河星さんは、前回偶然遭遇したパナマで行きが同じ飛行機でした。その後、コスタリカに行って極細金環日食が見られなかったそうです。今度は結果が逆になりました。他にパナマで同行した西崎さんは伊吾で見られたとのこと。観測地を伊吾にする案もあったのですが、皆既直前までやきもきするのは気が気ではない
…と言う話があったので、結果的に軍事施設の観測地でも止むを得なかったのかな?北京空港でも日食貧乏天河星さんと御一緒したので、伊吾で手に入れた皆既日食記念切手を送って戴けることになりました。私からは、火焔山で撮ったカシュガル民謡を御見せしました。

日食貧乏天河星さん自筆のスケッチ
烏魯木斉でも北京でも空港は日本への帰国ラッシュで混雑していました。欧米組も同じ時間に帰国するので、非常に混みあっています。北京から一斉に飛行機が飛び立つのでフライト待ちの飛行機が列をなしていました
。帰国後、すぐに田舎の青森県弘前市に帰省してねぷたとねぶたを撮りに行くので気が気ではなかったです。一時間近くも滑走路に待たされて、飛行機は飛び立ちます。どちらも窓際の席が取れたので、烏魯木斉では眼下に見えた天山山脈を空撮。地上で見るのとまるで風景が違いました。北京では曇天がすぐ日没となってしまい、ろくに風景を楽しめなかったです。

日食貧乏天河星さん自筆のDATA
(26)帰国後の手紙
帰国後、天河星さんから戴いた切手とコロナの絵に同封されていた手紙から詳細な伊吾の様子を知りました。
予定していた観測地は雲に覆われ、街に停まっていた車に声をかけてOKした方に郊外まで乗せてもらったそうです。辛うじてコロナが雲の影響を受けずに見られました。皆既日食当日は、哈密から伊吾や三塘湖方面に向かう路線バスが終日運休になる情報を哈密バスターミナルの貼紙で見たそうです。天河星さんは7/30の昼に伊吾へ入っていました。当日の夕方、伊吾の郵便局を探して日食記念切手を入手されたそうです。

ユナイテッド航空
ここに感謝の意を込めて、切手シートと絵を掲載させて戴きます。伊吾では、日食前日にツアー客が大挙して日食記念切手を買ってしまったので、後日哈密で買い求めても既に無かったそうです。伊吾に行ったツアーは雲を避けて移動が出来ましたが、モンゴルとの国境線に近いため人民開放軍が目を光らせている観測地では決められた範囲以外の移動は禁止。もし伊吾のように移動すると、銃口を向けられて射殺されてしまいます。この辺が天安門事件でもいかんなく発揮された中国の隠れた恐ろしさです。我々の観測地で雲が出ていても、そこから晴れ間を求めて車で移動するのは無理でした
フライト待ち飛行機の列


日食記念封筒


日食記念封筒


日食記念封筒


日食記念切手

番外編・・・・・コロナの形
この皆既日食記念切手を見て、過去のコロナと非常に良く似ているのに気がつきました。

右の写真は、1991年7月11日にメキシコ・カリフォルニア半島先端で自ら撮影したコロナです。
ちょうどFILMの発色も似ていて、写真を提供したワケでもないのに少しビックリしました。

この写真を横にすると、記念切手のコロナとまるで同じ写真になります。もしかして弊サイトに掲載されている写真から無断使用したのか!?

1991.7.11メキシコで撮影したコロナ
さて来年は日本近海で見られる今世紀最大級の皆既日食が見られます。太陽活動極大期のピークは2011年と予想されています。

2008年が極小期なので細長いコロナが見られました。2009年はもう少し太陽の活動が活発になる中間期なので、コロナの形は有翼日輪型で太陽の北極と南極にある磁力線が僅かに見えるでしょう。

右の写真は、前回の中間期に撮った1998.2.26のコロナです。この形に似たコロナが2009.7.22に見られると思います。詳細はこちらをどうぞ。

来年のコロナの形を予想
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