炎天下の皆既日食・食事編
炎天下の皆既日食・食事編
Keietsu Sayama
(17)ピチャンに移動
哈密王墓を後にして、これからピチャンまで行きます。明日の吐魯番観光に余裕を持たせるため、あらかじめ距離を稼いでおきます。実際は、哈密のホテルが2倍以上宿泊代を吊り上げてきたので宿泊は不可能です。ピチャンなら通常料金で泊まることが出来るのでそこへ移動します。道中、トイレと水分補給のため20分ばかり休憩します。ここの公衆トイレと称されている建物は、いずれもヒドイ作りです。床下に掘った穴へ排泄物を流すだけなので、付近は大変な臭いがしています。かえって青空トイレの方が清潔に感じます。

この店の裏に公衆トイレが…
この地域は昼夜の気温差が激しいので、糖度の高い果物が作られます。ブドウ・スイカ・ハミ瓜などの農産物が栽培されています。また干しブドウを作るのに、農家では屋根の上に吹き抜けの穴がたくさん空いた部屋を作ってブドウを干しているそうです。道中は馬も農産物の乗った荷台を引っ張っていました。移動に関しては、バスの車中から冷房が流れるので昨日より体調は良かったです。バスの上部の荷物入れに冷気口があるので、そこで買ったペットボトルを置いて冷やしました。砂漠の観測地に冷蔵庫があるワケもないので、これは助かりました。また砂漠では塩分補給が必要なのにしょっぱい
近くで添乗員が買ったブドウ(1箱35元)
ものを持って来なかったので、マサ様から梅味の飴を戴きました。これから行くピチャンは、ウィグル語で発音された都市です。漢民族は善と表記しています。ウィグル語は、アラビア文字に近い表記をします。道端にあった都市間の表記にも漢字とウィグル文字の二種類が併記してありました。ピチャンは、吐魯番に近い都市で吐魯番県に位置しています。気候も似ていて盆地なので、ムワッとした暑さがあります。日も暮れた頃、やっとピチャンに着きました。まずチェックインを済ませてから、ホテルの隣にあるレストランに行きます。隣の写真を見るとビックリしてしまうのですが、これが本日のメイン料理
羊の丸焼き
“羊の丸焼き”です。ユーラシア旅行社の中国ツアーに参加すると、こんな特典があります。中までしっかりと焼けていて、肉汁があふれだします。味付けも最高に良く、皆さんの箸が羊に吸い込まれていくようです。
この丸焼きは、実は半日かけてじっくりと焼かれたものです。ソースをかけて串刺しされた羊を回しながら焼いていきます。今朝まで生きていた羊だそうです。
既に焼かれてしまっては、その面影すらありませんが…
またパンフレットには、★ハミ名物楼蘭ワインを1杯サービスとありました。実際にはワインを大量に買い込んでいて、テントでも毎日ワインを飲んでいました。今回は

西遊酒店のネオン看板
コロナが見られなかったので、今夜は多めに振舞われました。ビールとかは体質的に合わないので飲めませんが、ワインなら赤白どっちでもイケます。どこのホテルのレストランに入っても同じようなメニューが出ますが、未だに羊の丸焼きは忘れられない味となりました♪
隣の写真にある建物が泊まった“西遊酒店”です。
中国にホテルと言う表記は無く、大抵酒店とか飯店となります。施設も烏魯木斉に次ぐ良さで、ロビーの奥には巨大な冷房機が設置されていました。食後にあまり冷気を浴びすぎたのでトイレが近くなり、知り合いとの会話もそこそこに速攻で部屋に戻りました。

西遊酒店正面入口
(18)火焔山・ベゼクリク千仏洞へ
翌朝、7時にモーニングコールが鳴りました。久々に満足できる料理を食べられて、砂漠で汚れた身体を二日ぶりに洗って身も心もスッキリです。高級ホテルではバイキング方式の朝食が主流です。中華惣菜とおかゆも3〜4種類は味わうことができます。今日は烏魯木斉まで戻るので、烏魯木斉の市場で買い物。…と思ったのですが、吐魯番の市場ではウィグル人が多くイスラム的な市場が見られるので吐魯番で散策するそうです。吐魯番の前に西遊記で三蔵法師一行が寄った火焔山に行くそうです。西遊記は堺正章の頃から見ているので、

バイキング形式の朝食
好きな話です。でも火焔山に寄ったことまでは知りませんでした。火焔山の近くには、三蔵法師一行の銅像がありました。熱くてバテそうなのに、ここで集合写真を撮るそうです。タイミング悪くFILMが切れてしまったので、補充していると皆さん所定の位置に着いてしまいました。もうすぐ撮影…間際に間に合って端っこに座りました。ツアー参加者全員のカメラで集合写真を撮るので、非常に暑いなか30分ほど我々の写真撮影が続きました。直射日光を正面に受けているので、まともに目を開けられません。待ち時間も長かったので、撮影している添乗員とガイドをビデオカメラのデジカメで撮りました。
撮影者を撮影
(19)カシュガル民謡との出会い
あまりに長時間同じ姿勢で座っていたので、非常にトイレが近くなりました。トイレは入場券を発券機に通して中に入らないと無いそうです。急いで中に入り、トイレの場所を聞いて用を足しました。ここは水洗トイレですが、自動では流れないので近くにあった水桶で水を汲んで流しました。トイレットペーパーもそのまま流すと詰まってしまうそうなので、別の場所に投げました。

火焔山と言っても平たく言うと遺跡巡りです。遺跡は階段を下ったところにありました。当然内部は撮影出来ないので、一眼レフで建物や自然などを撮りました。遺跡内部の玄関口に椅子が置いてあったので、ロクに説明も聞かず休んでいました。最後の遺跡に近づいた時、何やら聞き慣れない音楽が流れ出しました。

音楽の鳴っている方向へ行くと、そこには日陰の椅子に座っていたウィグル族の老人が弦楽器を持って弾いていました。その独特の高音域の音色に引き込まれた私は、ツアーの遺跡案内が終わってもなおビデオカメラで撮り続けていました。帰国後にその不思議な弦楽器を調べると、ラワプと呼ばれる弦楽器だそうです。
これは、木製の胴に蛇皮張りで全長が約1mもある大きなものです。楽器の胴は木をくりぬいて作ったものです。演奏者は胸高に水平に構え、左手で弦を押さえて右手に撥を持ち弾奏します。主に民族舞踊や歌の伴奏に用いられています。

火焔山入場券
音を聞いて戴ければ分かるのですが、非常に速いテンポの曲です。これしか演奏の題名が分からなかったので、カシュガル民謡をupしてみました。これで三味線を弾けたら迷わず楽器を手に取って弾いてみたのですが
。隣にもう一人ウィグル人がいてタンバリンのような太鼓を持って叩いています。これら音楽を総称してムカムと言います。歌も韻やリズムが多種多様にあります。歌詞は不明ですが、詞やことわざ、庶民的な人生観などが多く書かれているそうです。まさにムカムは、ウィグル社会の縮図と言えるのではないでしょうか?
後日、別のバザールでラワブを買える機会がありました
。これは蛇の革が張ってあると言うことで、中国国外に持ち出しすることは禁止だそうです。

カシュガル民謡
最初はシレッとしたあまり元気なさそうな顔でラワブを弾いていたのですが、ツアー客が集まって奏者の足元に元を置くと、弦を引く音が明らかに大きくなったのが印象的でした。この奏者は足が不自由そうで、一日中日陰でツアー客を相手に弾いているそうです。一番最初に入ったトイレのある建物が土産物屋です。そこもツアー客が集まっていました。ガイドの胡さんに手招きされて行ってみると、冷風機が置いてありました。迷わず冷風機の前に立って涼みます。反対側の出口付近にはウィグル族がかぶるような帽子が売っていました。
民謡を弾いているウィグル人
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