2サロス目の皆既日食・砂漠編
Keietsu Sayama
(4)白亜の城
昨日泊まったホテルに泊まれないのでツアー社員や添乗員の尽力により、ベンガジの南部にあるアジダビアで開業したばかりのホテルに泊まることが決まりました。本来は5月1日に開業するはずなのですが、急遽ヒトを集めて我々のために仮openしたようです。
そのホテルはまさに出来たてで、大理石も白く壁や絨毯が汚されていなくてまさに"白亜の城"と呼ぶにふさわしいホテルでした。食事もベンガジ御立派ホテルより旨く、個人的には六ッ星を差し上げたいくらいです。ベンガジ
アジダビアのホテル
アジダビアのホテル
よりもEclipse City Jalu South(観測地)に近いので他のツアーより余裕を持って行動が出来ました。
翌朝アジダビアで、昼食用のパンを購入するそうです。その間、我々はバスから離れない範囲でちょっとしたアジダビア市街観光です。ここはアジダビア州の州都で、ベンガジもアジダビア州に含まれています。リビア北部の海岸地帯は地中海性気候で雲が多かったのですが、アジダビア以南から晴れ間が多くなってきました。
バスはこれから南部の砂漠地帯を通過します。やがて甘いパンの香りがしてきました。
アジダビア市街
アジダビア市街
たった今、焼き上がったばかりのパンの香りにに誘われて思わずシャッターを切りました。その長さは胴体ほどもあって、一人一本でもとても食べきれません。
ちなみにリビアの通貨はディナールと言って、トリポリ空港では30$で35ディナールの換算レートでした。1ディナールには、カダフィ大佐の肖像画が描かれています。
珍しいのは1/2ディナールです。単位の半分の通貨なんて初めて見ました。紙幣には透かしが入っていますが、日本の通貨のように精巧な技術で作られたものではなく、細くて薄い線を組み合わせて作られたようです。
焼きたてのパン
焼きたてのパン♪
(5)砂漠都市に向かう
アジダビアから観測地まで約300kmを走行。道中はかなり長く、単調で平坦な道の連続で飽きてしまいました。
写真は砂漠で飼われているラクダです。飼われているだけあって、人間を警戒します。写真を撮る前はラクダとの距離がもっと近かったのですが、人間の群集心理と言うヤツでラクダを撮りたいがために多数押し寄せたので、ラクダが逃げてしまいました(>_<) たまにラクダの子供がピョンピョン跳ねている姿を見かけますが、カメラを構える間もなくやり過ごしてしまいます。
砂漠で飼われているラクダ
砂漠で飼われているラクダ
一般的なリビア人の収入は約5〜6万円だけですが、そのぶん福利厚生は行き届いています。例えばトリポリの例を挙げると、住宅や水道光熱費はただ!ガソリンは産油国だけあって1g辺り10円で買えます。自家用車も税金は国で払うので、新車は約90万円で買えます。但し高級車と4WD車は個人輸入となり高く付きます。

発電の全てを火力に頼り、隣のチュニジアやエジプトにも無償で電力を供給しています。また年金は働いていた時の給料の2倍もらえます。なんだかリビアの居心地の良さにフラフラして雑踏の中に吸い込まれそうですね。

砂漠で見つけた印象的な看板
昼飯の一部を食べている時に日食グラスで太陽を見たら、未だ無黒点でした。今度のコロナは如何ほどか?
日食観測前日にして車の通行量も増えてきたのに警察の検問が数箇所あって思うように進めなかったです。
午後3時前にやっと"Eclipse city Jalu South"に到着!
早速荷物をテントに入れてEclipse cityに居る人なら誰でも食べられると言う食堂へ…既に食堂が閉まる直前で、客の残り物を見ているしかありませんでした。食堂の近くにインターネットができるテントがあるそうです。
Eclipse city Jalu south
Eclipse city Jalu south
喜び勇んでテントに向かいました。各地の気象衛星雲画像と自分のサイトを確認したかったのです。赤外線で見た画像には若干薄雲か水蒸気による絹雲があるものの、トルコ・エジプト・リビアでは明日晴れて皆既日食が見られそう。ここのキーボードはアラビア文字専用で、英語が使える程度です。HPの日本語表示もできなかったので、英文交じりのメッセージを書きました。
no use japanese Eclipse City Jalu south in the internet cafe(musen de yatteimasu) in the fine day! tomorrow total solar eclipse! imakara wakuwaku shiteimasu ^^
洒落たテント
洒落たテント
(6)見られるはずだったグリーンフラッシュ
やがて陽は傾き、砂漠に沈む夕陽を撮るために機材を用意しました。さすが砂漠!雲一つない空には、鮮明な太陽が沈んでゆきます。大気の層が濃い地平では肉眼で沈む太陽が見られます。すると太陽の形がいびつになり、両端から徐々に上端が失われていきます。その時、太陽が突然二つに分かれました!?なんと欧米人が撮影の邪魔をしてより前で見ようとしています。当人は、後ろで日本人が横一列に並んで太陽を撮影しているのを知らない様子でした。頭にきて思わず『退けよオイ!』
テント前で夕暮れを撮影中
テント前で夕暮れを撮影中
と叫びましたが通じません。直接行って注意しに行くと太陽が沈んでしまうので、止む無く撮影を続行しました。悲しいかな…二つに分かれた太陽が地平に沈む瞬間、滅多に見られないグリーンフラッシュが確認できました。これを是が非でも撮りたかったのに…(T_T) 太陽の正面にヒトが…
太陽の正面にヒトが…
グリーンフラッシュ直前の太陽
グリーンフラッシュ直前の太陽
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