炎天下の皆既日食・観測編
(10)熱すぎた場所
天山北路は結構気温が下がるので、長袖長ズボンを穿いて烏魯木斎のホテルから出てきました。でもムッとした暑さがあったので、テントでTシャツと半ズボンに着替えました。グリーンフラッシュらしきものを撮影し終わって、朝食の準備が始まる朝8時頃には既に熱くなっていました。
普通は暑いと書きますが,ここは熱いです。乾燥している砂漠ですが、本当に焼けてしまいます。もうテントの中には熱くて居られないので、観測機材ごと食事と休憩所を兼ねたテントに避難します。食事の準備が始まり発電機が動き出しました。もう充電器が使えます。
テント周辺
朝食後ツアー参加者全員の自己紹介が始まりました。名簿で一番最初に掲載されている私がトップバッターです。昨日出発時にネタを喋ってしまったので、特に言うこともなく…「来月の星ナビで"ネットよ今夜もありがとう"のコーナーに弊サイトが紹介されます」とだけ宣伝しておきました。
他の方は、出身地と名前・皆既日食観測暦などを笑いを交えて自己紹介されました。トップバッターの私は、ヒトを笑わすほどの余裕が無かったので紹介を聞いているだけでした。本格的に観測される方は機材や場所の選定に行っています。こちらは固定三脚のお気軽撮影なので、時間ギリギリまで風が吹き抜ける涼しい休憩用のテントに居ました。
テントと食堂用の青いテント
昼食を採っても熱すぎて、その場から離れられなかったです。そうこうしているうちに日陰が日向になって背もたれの柱に日光が当たります。どんどん奥に移動して涼を求めました。半袖半ズボンだったので、水を腕や足にかけて放射冷却で涼みました。これで多少四肢は洗えたでしょうか?
ここに居た方が涼が得られるので、死ぬほど熱いテントから次々と食堂に使っているテントへヒトが集まりました。我々は前日から陣取っているので第一接触の瞬間までノンビリと待機していれば良かったのですが、午後4時過ぎ頃からバスが大挙して観測地にやってきました。
中国隊バス
この辺で皆既中心線に近い場所は、軍から指定されたこの場所しか無かったのです。中心線で長い皆既日食を見るツアーは、殆どこちらの観測地の近くまでやってきました。
検問や観測地まで来るまでが大変なのは、昨日の夕方で良く分かっていました。それを観測当日の移動でやると、道中はかなり待たされることになるので機材のセットが間に合わない場合があります。彼らは日食が終わると、その足で帰ってしまいます。砂漠の恩恵とも言える日没のグリーンフラッシュや江戸時代の星空を見ないで割高なホテルに戻るワケです。この辺は、どのツアーを選ぶかによって価値観が違ってくるでしょう。
ゴビ砂漠
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