炎天下の皆既日食・移動編

(9)ついに観測地へ

砂利道に入ってから辺りが薄暗くなってきました。ちょうど皆既日食が見られるシチュエーションと似たような状況です。我々は夕飯を外で食べる時間も無く、予想外の遅れでバスは延々と走って行きます。薄明がだんだん薄れて完全な闇が訪れました。車はライトを付けながら走って行きます。

道中はあまりにも退屈なので少し寝ては覚め、またまどろんでは覚め…これを繰り返してすきっ腹も極限状態になった深夜、やっとバスは観測地に到着しました。

山に沈む夕焼け
山に沈む夕焼け

観測地は当然真っ暗で何も見えなかったのですが、食事を作っているテントに誘導されて先に夕食(夜食!?)を食べました。蛍光灯の光が照らす中、水と食事が運ばれました。簡易テーブルにお風呂で使うような洗面器と椅子がありました。ここで風呂に入るワケにはいかないのに、さしずめお風呂セットが出てきたようで結構笑いました。

洗面器の中に食事が入っていて、それを各自で摘まんで食べるといったスタイルです。肉などは出ず油で揚げた野菜などが出てきて、正直あまり口に合うような食べものは無かったです。この食事が観測地に居る間、延々と続きました。

巴里坤から三塘湖までの道
巴里坤から三塘湖までの道

真夜中に着いたので、荷物をテントに誘導されて運んでから闇夜の星空を楽しみました。天の川がハッキリと肉眼で見えて、時には流星も流れます。空は晴れていて綺麗すぎるほどの星空…さすがに普段、一般人が立ち入られない場所での観測は一味違います。ここで二晩明かすのは我々のツアーだけです。

日食情報センターの石井馨さんは、GPSで観測地の位置を確認して現地の日食予報を計算していました。ろくに寝ていないのにお疲れ様です。私もあまり眠られなかったので、星空観測もそこそこに翌朝に備えて寝ましたzzz

モンゴルまであと80km
モンゴルまであと80km

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