サハラ砂漠で皆既日食

D見られるはずだったグリーンフラッシュ

やがて陽は傾き、砂漠に沈む夕陽を撮るために機材を用意しました。さすが砂漠!雲一つない空には、鮮明な太陽が沈んでゆきます。大気の層が濃い地平では肉眼で沈む太陽が見られます。すると太陽の形がいびつになり、両端から徐々に上端が失われていきます。

その時、太陽が突然二つに分かれました!?なんと欧米人が撮影の邪魔をしてより前で見ようとしています。当人は、後ろで日本人が横一列に並んで太陽を撮影しているのを知らない様子でした。頭にきて思わず『退けよオイ!』 と叫びましたが通じません。直接行って注意しに行くと太陽が沈んでしまうので、止む無く撮影を続行しました。悲しいかな…二つに分かれた太陽が地平に沈む瞬間、滅多に見られないグリーンフラッシュが確認できました。これを是が非でも撮りたかったのに…(T_T)

E観測前夜のバカ騒ぎ

傍若無人な欧米人に腹を立てながら日没を見送ったあと、夕食を取ろうと食堂テントに向かいました。なんと、既に百人くらい並んでいるではありませんか!グリーンフラッシュも見ないで我慢して夕食を待ったのでしょう。でも食堂の準備が遅く午後8時から開店するそうです。

日没から一時間近く間があるので、日食談義に花を咲かせているツアー客の近くで話を聞いたり食堂の近くに行ったりしました。主催者側が気を利かせたのか周りの電灯がフッと消えました。その瞬間、溢れんばかりの星々が…あまりに素晴らしい星空でopen待ちの人々の歓声がこだましました♪まるで手を伸ばせば届くかのような天の川。天の川の周りには、まるでプラネタリウムのような星空が広がっていました☆彡

無駄に動くのもなんだし、しばらく悠久の時代から続いている星空を眺めました。観測地は北緯28度なので、奄美大島と同程度。全天一明るいシリウスと二番目に明るいカノープスが縦に並んでいるのがハッキリ確認できました。南十字星は夜半過ぎに南中するので見られません。撮影機材をテントに置いたのが恨めしいです。

食事を終えてシャワーを浴びようとしたら、冷たすぎて入れません。どうやら温水は出ない構造のようです。歯だけ磨いてそそくさと出てきたらアラブの踊りに出くわしました。その踊りは食堂のテントを抜けてアサッテの方向に行きました。真夜中、そろそろ熟睡しようとしてもアサッテの方向からアラブの踊りと民俗音楽らしい音が聞こえます。おまけに花火まで打ちあがり、まさにお祭り騒ぎ。こっちは寝て明日の撮影のために体力を温存したいのに外気の寒さも加わり中々眠られなかったです。

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