ブルガリア日食紀行

B観測地へ

モスクワから移動して今日は観測日。土地の人から「どうゆう経緯であなた達はこの場所を探したのか?」と聞かれた方もいるらしい。ここは殆ど日本人が訪れた事も無く、道中は珍しいもの見たさでバスの中へ好奇の視線が集まっていました。

やがてバスはブルガリアのドブリッチ市北東30qの町ジェネラル・ト−シェボに到着。観測場所は、ユーリガガ−リン農業専門学校の校庭。例によって現地のGPSデータを記録します。

北緯43度42分04秒。東経28度02分00秒。

C心臓の鼓動が…

学校の校舎で簡単な昼食を取って、現地時間の12時半から観測開始。同時に気温も測ります。ひなたにいたのでかなり暑く、観測前は44℃もありました。それでも日中50℃近くにもなるイランよりまし。一昨年のシベリアでは−30℃を経験しました。

太陽が欠け始めてから一時間後、空が青く濃くなってきました。外気はすっかり涼しくなっていました。皆既3分前、皆既日食撮影用の500oレンズを付けたカメラのファインダーを覗きます。既に内部コロナが見えていますが、金星は見えない。うっすらと黒く大きな影が迫ってきた。まもなく皆既日食。心臓の鼓動が早くなってくる。太陽の光が失われ、ダイヤモンドリングが見えてきました。

ファインダーからこれまで見た事もない丸いコロナが見えました。いつもと形が違うので、ひどく興奮しています。月縁から四方に紅いプロミネンスが見えます。1991年のメキシコよりも数が多い。筒先開閉でうちわシャッターを使う予定が慌てたので手でやってしまった。お陰で鏡筒に手をぶつけてしまい、それから写真がピンボケになってしまいました。更に本影錐の移動の様子も撮れなかった。三脚だけで撮影するのは本当に難しいです。ちなみに皆既中は30℃まで気温が下がりました。全ての日食が終わり暑さと炎天下で非常に疲れがたまり、帰りのバスでは爆睡しましたzzz

ダイヤモンドリング
ダイヤモンドリング

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