シベリア氷点下ツアー
F氷点下の日の出
翌朝は日の出前から行動を開始します。トランクを宿に置いて、必要な機材等を持ってバスまで向かいました。寒さでエンジンの調子が悪いのか、薄明を過ぎてもなかなか発車しません。一人だけ部屋に忘れ物を取りに行った人が戻って来ないので、ツアーを主催したM氏がバスを発車させました。添乗員は顔が青くなっていましたが、シバンダ静養サナトリウムも皆既帯に入っています。「時間に遅れた人はそのまま宿で観測させます。」と事前に参加者全員に通達してあったので、特に大きな混乱もなく観測地に到着しました。
完全な快晴の下で斜めに陽が昇りました。荒野に浮かぶ太陽は、日本では見られないような美しさです。
現地のGPS 北 緯 51度58分00秒
東 経 116度34分08秒
現地の予報 第一接触 8時57分26秒
第二接触 10時00分40秒
第三接触 10時03分21秒
第四接触 11時10分59秒
現地の皆既日食継続時間は、2分41秒です。シルカ市ソンツェバーヤ地区で観測しました。
G寒さとの戦い
機材を立ち上げる最中に温度計で気温も測りましたが、観測地は−20℃です。アラスカで着ていたゴアテックス入りの防寒着と手袋を着けて、エスキモーの靴を宿で履いて完全な防寒をしました。それでもあまりに寒くて太陽と反対側の方角に設置されたテントで暖を取ります。
機材は荒野に設置したまま。風が吹かないので助かりましたが、カメラを保温しようとしたらカイロ灰をくっつけたガムテープがあまりの寒さに付きません。 貰い物のカイロを付けると良く付きます。これにはジャンパーをかけて保温しました。赤道儀がないので、カメラと三脚が二台ずつの固定撮影です。撮影の合間も手足が冷えるので、手はテントの暖房によくあたって足は三脚の下に発泡スチロールを敷いて荒野の寒さをシャットアウトします。
氷点下の日の出
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