シベリア氷点下ツアー
Hシベリアの黒い瞳
やがて空が青く濃くなってきました。ふと温度計を見ると−30℃!あと少しで皆既日食です。心臓の鼓動がピークに達した頃、ダイヤモンドリングが輝きました。太陽の右側から光が消えていき、まるで瞳のように横に伸びる極小期型のコロナが見えます。
地平線に近い皆既日食なので、廻りだけが新月の暗い影に覆われていました。それが太陽方向に移動した瞬間、月の谷から光が漏れてダイヤモンドリングになり皆既日食も終わりました。ヘール・ボップ彗星が皆既中に見えたのですが、短い皆既日食の時間を犠牲にしてまで見る気がしないです。皆既日食とは言え、夜より明るいので彗星の尾も写真に写らなかったと思います。気がついたら指に違和感があります。寒さでマニュアル撮影の予定が、勝手に自動になるのでカメラを調整する際に素手で操作していたのが原因です。故意による撮影の失敗はしたくないので、素手でシャッターを押しました。
Iあっと言う間に帰国
皆既日食の当日なのに宿には泊まらず、シベリア鉄道でチタに戻ります。車内ではあまり眠れず世間話をしていました。AM6:00到着、早速チタ空港に向かいます。チタ空港で見慣れないツアーと合流しました。このツアーはチタで観測したコースでした。こちらは日程が2日短く料金も25000円しか安くないので、最初からシルカへ行くAコースに決めていました。
早速情報交換をしたところ、チタでは曇られたそうです。そう言えば昨日太陽が元に戻った頃、辺り一面が雲に覆われてしまいました。もう少し皆既日食が遅かったらチタのように曇られたかも。ハバロフスクを経由して新潟空港に到着。日食翌日にすぐ帰国するのも、まるで皆既日食が終わったかのような早さです。
シベリアの黒い瞳
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