（１）出発まで
年末年始を青森県弘前市の実家で過ごし出発前に函館の友人を呼んで一緒のツアーに参加しました。出発は、１９９２．１．３夕方成田空港から。前回１９９１．７．１１メキシコ皆既日食の時に、この企画が阪急交通社で発表されていたので半年前から参加を決めていました。 |
今回の金環日食帯地図 |
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日本でも近海を通過する金環日食に伴う部分日食が、１９９２年１月５日に見られます。今回の観測は日付変更線を超えたＬ．Ａ沖で日没金環日食を１９９２年１月４日に観測して、アラスカでオーロラを見ます。日没金環だけを観測するのがＡ・Ｂコース。Ｃコースは、年末年始をアラスカで過ごすので料金も割高です。
私が参加するＤコースは、日程が１９９２．１．３〜１９９２．１．１０までなので、Ｃコースよりも１０万円割安です♪それで当時勤めていた東京の会社に有給休暇を申請しました(^_^ゞ |
L.A 近郊の金環日食帯地図 |
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（２）Meade社を見学
離陸した飛行機は、日付変更線を越えて３日の朝Ｌ．Ａに到着。約１０時間のフライトです。到着後レストランで昼食を取り、早速バスでMeade社の工場へ。青いシャツを着た社長が我々を迎えてくれました。最初は吹き抜けのある広い土間に置かれた屈折式望遠鏡と反射式望遠鏡の商品説明から始まります。その場で実際に望遠鏡を動かしてくれました。手元のパネルを動かして
操作します。 |
Meade社工場棟（クリックするとMeade社の社長が出ます） |
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| それから別棟に移り、最も見たかったレンズの研磨工程を紹介されました。まず厚いガラスをレンズに削る工程、やがて機械油の匂いが充満してきます。機械の内部を覗くと、レンズが水と研磨剤を一緒にかけられながら小気味良く高速回転していました。片面ずつ研磨するそうです。多分主鏡の研磨工程だと思います。隣の部屋には研磨されたレンズが数多く並べられていました。 |
レンズ研磨工程 |
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| 更に別棟に行くと、ほぼ完成された機材を覗き込む従業員がいます。レンズの検査工程です。機材がフロア一杯に台の上に並べられ検査する方は大変です。再び別棟に移り、出荷･梱包作業と望遠鏡の筒を置いてある現場を紹介。Meade社の構内は広く、いくつも別棟があるのが印象的でした。 |
極軸検査工程 |
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（３）曇られた金環日食
今日は日没金環日食が見られます。あとで聞いた話ですが、金環帯が一番長くなった赤道直下のキリバスで日食情報センターの方々が約１１分の金環日食を観測したそうです。朝９時にＬ．Ａ沖に浮かぶサンタ・カタリーナ島へ行きます。Ｌ．Ａで観測しても良かったのですが、サンタ・カタリーナ島なんて一生に一度しか行けない所なので迷わず行きました。流線形の格好いい高速船に乗り、島へ上陸！ここは観光地らしく、開放的な雰囲気が漂っていました。 |
サンタカタリーナ島・アバロン市街 |
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| バスで港の反対側に向かい、西に沈む場所で観測します。日食が始まる一時間前に到着。早速観測機材を立ち上げます。１５時３３分に太陽の下側から欠け始めました。１５時４０分に食分１０％の太陽を撮影、１５時５０分に食分２０％の太陽が雲越しに見えましたが、撮影のタイミングが難しくて撮れなかったです。その後、撮影ポイントである崖の斜面下側から厚い雲が迫ってきました。ものの１０分もすると辺りは完全に雲に覆われて、二度と欠けた太陽は顔を見せてくれませんでした。 |
１０％欠けた部分日食 |
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| 初めての金環日食が曇られて大ショックです。 悔しいので、その場で前回撮ったメキシコ皆既日食の写真アルバムを眺めていたら現地の米国人が「アルバムを見せてくれ」と言ってきました。アルバムを見るだけでは物足りなかったのか、なんとアルバムを撮っているではありませんか！よほど見られないのが嫌だったのでしょう。仕方がないので快諾しました。日没を待たずに皆さんバスに乗り、港まで出発しました。Ｌ．Ａまでの帰路は全員が押し黙ったままの表情で、まるでお通夜のような雰囲気でした。 |
雲に覆われた観測地 |
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翌朝Ｌ．Ａ空港で新聞を買い昨日の日食を確認したら、なんと地平線に沈む金環日食が映っていました！サンジエゴの海岸沿いで撮られたようです。昨日無理してでもＬ．Ａに留まって移動すれば良かったかな？…と思いました。２時間半のフライト後、シアトルに到着。ここでＡ・Ｂ・Ｃコースとお別れです。我々Ｄコースはアラスカのアンカレッジからフェアバンクスまで移動し、深夜宿泊地に到着します。フェアバンクスに着いた時は、非常に凍れて深呼吸をすると鼻腔が凍ってくっつきそうです。肌から寒さを感じました。
出典：IPA「教育用画像素材集サイト」http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/から動画を引用→ |
サンジエゴで撮られた日没金環 |
