ブルガリア日食紀行(観測編)

(5)観測本番
モスクワから移動して今日は観測日。土地の人から「どうゆう経緯であなた達はこの場所を探したのか?」と聞かれた方もいるらしい。ここは殆ど日本人が訪れた事も無く、道中は珍しいもの見たさでバスの中へ好奇の視線が集まっていました。やがてバスはブルガリアのドブリッチ市北東30qの町ジェネラル・ト−シェボに到着。 観測場所は、ユーリガガ−リン農業専門学校の校庭。例によって現地のGPSデータを記録します。
北緯43度42分04秒。東経28度02分00秒。
ブルガリアの入口・VARNA空港
ブルガリアの入口・VARNA空港
ここは大変広く、誰にも気兼ねする事なく観測開始!銀塩撮影派の私は三脚とカメラを2台ずつ用意。ダイヤモンドリング2分前からフィルター付きのレンズを外し、広角レンズを取り付け、本影錐の移動と内惑星を撮影します。FILMはいつものAGFAではなくて、FUJIのISO400を使います。四色感層になったので、コロナの露出時間による色の違いや、プロミネンスと彩層の鮮やかな赤を再現出来ればいいと思いました。学校の校舎で簡単な昼食を取って、現地時間の12時半から観測開始。 観測地の地図
観測地の地図 四角で囲んだ場所が観測地
同時に気温も測ります。ひなたにいたのでかなり暑く、観測前は44℃もありました。それでも日中50℃近くにもなるイランよりまし。一昨年のシベリアでは−30℃を経験しました。皆既日食を追いかける旅は辺鄙な所で観測するしかないのかな?1994年のチリでは砂漠で観測したし…日食勉強会に参加していたので、極大期のコロナが見られる事は知っていました。水分を取りながら部分食を予定通りに写します。20%欠けたところで撮影を一旦中止して観測場所を移動しました。 校舎の隅で観測 直後に移動
校舎の隅で観測(直後に移動する)
本影錐の移動を捕らえるには回りの木々が多すぎたからです。早めに機材のセッティングをすれば良かったのですが、遅い時間に出るバスに乗ったので部分日食の開始一時間前に着きました。それで場所の選定がままならなかったのです。毎回撮っている部分日食も30%欠けた部分は撮れませんでした。写真は80%欠けた部分日食ですが、今回は皆既中心線近くで観測したので太陽は真横から欠けていきます。やがて空が青く濃くなってきました。外気はすっかり涼しくなっていました。 80%欠けた部分日食
80%欠けた部分日食
皆既3分前、皆既日食撮影用の500oレンズを付けたカメラのファインダーを覗きます。既に内部コロナが見えていますが、金星は見えない。うっすらと黒く大きな影が迫ってきた。まもなく皆既日食。心臓の鼓動が早くなってくる。太陽の光が失われ、ダイヤモンドリングが見えてきました。ファインダーからこれまで見た事もない丸いコロナが見えました。いつもと形が違うので、ひどく興奮しています。月縁から四方に紅いプロミネンスが見えます。1991年のメキシコよりも数が多い。 ダイヤモンドリング
ダイヤモンドリング
筒先開閉でうちわシャッターを使う予定が慌てたので手でやってしまった。お陰で鏡筒に手をぶつけてしまい、それから写真がピンボケになってしまいました。更に本影錐の移動の様子も撮れなかった。三脚だけで撮影するのは本当に難しいです。ちなみに皆既中は30℃まで気温が下がりました。全ての日食が終わり暑さと炎天下で非常に疲れがたまり、帰りのバスでは爆睡しましたzzz やがてホテルに到着。早速Sさんの撮ったビデオを拝見します。何回見てもさっきの興奮が蘇ります♪ 極大期のコロナ
極大期のコロナ
(6)日食発表会と鳥流星群
観測後のディナーは観測発表会の場となりました!8.11はお盆の時期で仕事の都合も付く方も多いからか、初めて参加する方も多い。やがて私の番がやってきました。『皆様の御陰で今回も無事に観測できました。足掛け11年で7連勝達成です。過去に曇られた方には申し訳ありませんが、このまま死ぬまで連勝記録を伸ばせたら、これは見物だと思うので、これから私の行く末を皆さんで見守ってください。』
Hotel Bulgariaに宿泊
Hotel Bulgariaに宿泊
スピーチのトリは国立天文台の渡部潤一助教授です。御家族で参加されたようです。「第二接触のダイヤモンドリング直前まで目をつぶると、コロナの広がりが素晴らしく見られます…と言った事を実行してくれた方ありがとうございます。実は、私も今回初めて実行しました。今回の日食は完璧でしたね。」
夕食後、ホテルの屋上で明日が極大となるペルセウス流星群を観測しました。
日食グッズコーナー
Hotel Bulgaria 日食グッズコーナー
枕も2つ持ってきたので、狭い屋上では誰かが隣で見てくれるのかな?と思いながら敷物を広げていたら、♀の方が手伝ってくれて隣で一緒に見ました。不躾だが♂の私は少し興奮。これが恋人なら自分の中に眠っていた動物的本能が蘇るところだった。ふぅー危ない危ない。少し冷静になり流星群をじっくり眺めました。別口で見ていた若い子の『あ〜見えたァ』という黄色い歓声で流星の軌跡を追うが一瞬の事で見られない。たまに見えたと思ったら鳥の流星だったりする。 喫茶店
Hotel Bulgaria 喫茶店
深夜まで彼女も見てくれたけど、鳥流星は多数見られて、本物は3つしか見られなかった。これでは蛇口から滴り落ちるだけの流星滴です。8.12日本では多数見られたようです。2つの観測で疲れ切ったのですぐに寝ました。夜の観測は身体が冷えるので、そのぶん身体が温まり眠気が増したと思いますzzz バルナの大聖堂
バルナの大聖堂
(7)ネセバ観光と殿方の興奮
日食観測の翌日は、世界遺産のネセバにて観光休憩に立ち寄った店で、オランダの日食観測隊と出会いました。同じ仲間なので自然と話が盛り上がります。私が皆既日食観測7連勝と知ると輪が出来ました。嬉しいので、シベリアで撮影に成功した写真と皆既中の本影錐の移動を撮った写真を見せると囲まれた輪が竹輪になります。走り続けたバスは、やがてネセバに到着。観測隊と毛並みの違う人々で賑わっています。
ネセバで絵の売り子と記念写真
ネセバで絵の売り子と記念写真
ここのアートギャラリーの建物を見たら弘前市の市章である卍があって驚きました。でも何だか親近感が沸いてきます。昼食に寄ったレストランでは、ウェイトレスがめんこくてスタイル抜群。特にストレートヘアーの子(写真右端)は殿方の熱い視線を感じながら仕事をしていました。昼食後、なぜかウェイトレス撮影会となり殿方達のカメラフラッシュがまるで記者会見のように浴びせられたのは言うまでもありません。日本に着いてから8.17にトルコで地震があったのを知りました。ツアーに参加された方がこの日までに帰国したので邦人の被害はありませんが、日食当日ならどうだったろう?ブルガリアも相当な被害を受けたに違いない。背筋が凍りました(>_<) レストランのウェイトレス
レストランのウェイトレス
オランダ日食観測隊
オランダ日食観測隊1
オランダ日食観測隊
オランダ日食観測隊2
卍が印象的なネセバのアートギャラリー
卍が印象的なネセバのアートギャラリー
ネセバの商店街地区
ネセバの商店街地区
バルナ駅正面
バルナ駅正面
ネセバの広場と日食新聞記事
ネセバの広場と日食新聞記事
バルナ駅機関車
バルナ駅機関車
黒海沿岸
黒海沿岸[バルナ近郊]
ブルガリア民芸品
ブルガリア民芸品
バルナ・リゾート
バルナ・リゾート

観測地の位置
観測地General Toshevo・・・真北に四角が三つ連なる場所が観測地

観測地の位置
観測地の位置・・・○印が観測点です

観測地の位置
観測地の校庭
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