■観測地点の概要 2010.7.11にパタゴニアで皆既日食が観測されました。皆既帯の中では唯一大陸に延びた地点ですが、太陽高度が1度程度しかありません。この時期、南米は真冬でこの地域は前日まで雪が降っていたそうです。また雲量予報図も雲に覆われる確率は80%近くと、地平線の皆既日食を見るには余りにも絶望的な数値がありました。 日本からはWILDNAVIがカラファテへのツアーを企画・催行をしました 。また個人旅行で数名がカラファテで観測しております。これほどリスクの高い皆既日食ツアーへの参加は誰もが二の足を踏むところですが、不利な条件が揃っているにも関わらず皆既日食観測には成功し、翌日は曇ったそうです。 ■カラファテについて 観測場所となったカラファテは、世界遺産となった氷河の数が40以上とロス・グラシアレス国立公園を抱える南米パタゴニアで最も巨大なウプサラ氷河を見られる拠点都市です。ここからアルヘンティノ湖岸に沿って北西から流れる氷河の末端が見られます。ここの氷河の崩落は圧巻です。中でもウプサラ氷河は幅5km全長80km以上と巨大な氷河で、一日で3.6mと非常に速く流れます。 氷河の源流となるアンデス山脈には南太平洋と南極から流れる湿った空気がぶつかり、常に新鮮な雪が積もります。そこも皆既帯となっていますが、雪が積もるため天候は常に悪くなります。 現地では前日まで雪が降っていたそうですが、皆既日食当日は奇跡的に地平線まで晴れて茜色の見事な日没皆既日食が見られたそうです。 |