これからいつ、どこで、どのようなツアーに参加できるのか、お話させていただきます。 まず、サイトのトップにある皆既日食帯世界地図か今後の皆既日食の欄を御覧下さい。そちらのリンクには、世界地図と皆既日食が通過する帯が書かれています。殆ど洋上を通過する皆既日食ばかり目に付きます。洋上ではクルーズ船に乗らないと見られないので、陸上で観測するのが手っ取り早いです。 次の皆既日食は、2008年8月1日まで待たないと見られません。来年冬以降ツアー会社の企画が進み、再来年の春までには発表されると思います。 再来年に皆既日食を見られる場所ですが、こちらをクリックすると、カナダ・ロシア・中国とモンゴルの国境地帯でしか見られません。この中で最もアクセスが容易なのは、ロシアのノボシビルスクです。今では人口150万人を超える大都市に成長して、シベリア鉄道も空港もあります。ちなみに皆既継続時間は2分18秒。ですが、ここで必ずしも晴れる確率が高いとは言い難く、南部に行けば行くほど晴れる確率が高くなります。特に中国とモンゴルの国境沿いはゴビ砂漠があるので晴れる確率はより高くなるでしょう。 ところがゴビ砂漠では近くに鉄道や空港がありません。中国のベストポイント(皆既継続時間2分00秒)は、吐魯番(ツルファン)盆地の東端にある哈密(ハミ)から150km北東へ行った地域です。そこも盆地なのですが、平らな平原が広がっています。但し、標高1000mもある天山山脈を越えなければなりません。 中国側で皆既継続時間がもっと短くなるのですが、比較的行きやすい場所があります。そこは西安(シーアン)から真北に伸びる路線の終点です。そこは銅川(トンチョワン)と呼ばれている街で、1分33秒の皆既継続時間があります。残念ながら空港のある西安は食分99%の超ギリギリ部分日食となります。ここを拠点とするのも良いでしょう。但し太陽高度が5度程度しかなく、地平線の雲に遮られる可能性があります。もっとも上手くいけば、地平線に欠けたままの太陽が沈むことでしょう。 右の写真を参照→ また旅慣れた方は個人で行く方もいます。ちなみにロシアではビザが必要です。中国ではビザが不要ですが、パスポートの残存有効日数が入国時に四ヶ月以上必要だそうです。 ■次回の皆既日食帯と雲量予想図
画像はクリックすると拡大されます。上の図はあくまでもこれまでの統計で、確率的に晴れそうな場所が分かるだけです。当日は天気予報を検索して確実に晴れる場所へ行きましょう。 ちなみにEclipse cityも巴里坤近郊と西シベリアのノボシビルスクを観測地として計画しているそうです。 ノボシビルスク近郊で観測する場合西隣のオビ町に皆既日食中心線が通過します。そこでは、太陽高度30度で2分20秒間のコロナが見られるでしょう。シベリア鉄道が皆既帯に沿って運行されているので、バルナウルやビイスクも観測に適した街です。南側にあるゴルノアルタイスクは、風光明媚な街ですが、曇られる確率が高くなります。 参考までにノボシビルスクの東側にはケメロボ市があります。そこでは、1981年7月31日に皆既日食が見られました。今回の皆既日食と一日違いですが、当時は晴天下で観測されたそうです。 右のISCCPによる7月と8月の平均雲量図によると、7月はノボシビルスク周辺に晴天域があります。 |