1988年3月18日に初めて皆既日食を観測して以来、黒い太陽が見られる場所を求めて海外に遠征してきましたが、1992年6月30日ウルグアイ皆既日食以来、久々に遠征出来ませんでした。日本からは二社の南極皆既日食ツアーがありますが、最低でも230万以上かかるので諦めました。別のツアーも探しましたが、現地集合で現地から南極までフライトするのも多額の費用がかかるらしい。オーストラリアが一番安いけど、南極の地に降りて観測するのが本来のあり方だと思うので、皆既帯までのフライトは選択肢になかった。 |
南極皆既帯地図 |
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今回はNHKが放送50周年特別事業で南極から皆既日食を生中継するとのこと。Live!Eclipseのインターネット映像で皆既日食のコロナを先取りしてからNHKをゆっくり見るつもりが、ネットの方は最初の部分日食しか見られずPCの調子がおかしくなったのか再起動をせざるを得ません。その後、二度とネットから映像を見ることが出来ませんでした。その30分後にはロシア・ノボラザレフスカヤ基地をメイン中継地点とするNHKの中継に見入っていました。 |
皆既日食当日の日の出 |
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中継地点は、飛行機と昭和基地とノボラザレフスカヤ中継地点の三ヶ所から。ノボラザレフスカヤ中継拠点の近くにはNHKの画面に映っていませんが、日本からの南極皆既日食ツアー隊が陣取っていました。前日までのブリザートで、三日も南アフリカのヨハネスブルグで足止めを喰らったそうです。肝心の皆既日食当日にやっと晴れたそうで、もし私もツアーに参加していれば南極の地に足を付けて右の写真のようにダイヤモンドリングを見られたのです。 |
シベリアの荒野に浮かぶダイヤモンドリング |
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南極の皆既日食は、僅か1分30秒で終わりました。気温はノボラザレフスカヤ基地で−18℃。皆既前は−8℃ほどだから、約10℃気温が下がったそうです。1997年3月9日に観測したシベリアの荒野では皆既中に−30℃を記録しました。皆既前は−20℃だから南極よりも寒い苛酷な場所で観測した事になります。ちなみに私の横ではLive!Eclipseのインターネット初中継が行われていました。右の写真はシベリアで撮ったコロナですが、太陽の高度が17.5度ありました。僅か3度の南極で茜色のコロナを見たかったです。 |
皆既日食〔イメージ〕 |
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NHKの映像では最後にピントが合わなくなったのか、皆既日食の終わりを告げるダイヤモンドリングの際にゴーストが出ていました。私の経験上、被写体にピントが合えばゴーストが出ません。
右の写真は500oの反射望遠鏡で撮ったシベリアのダイヤモンドリングですが、反射望遠鏡では光学系の違いから基本的にダイヤモンドリングでゴーストは出ません。テレコンバーターと言うレンズで焦点距離を伸ばすと、その分レンズの構成枚数が増えるので、太陽の光を直接受けるダイヤモンドリングではゴーストが出やすくなります。
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ダイヤモンドリング〔イメージ〕 |
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次回は2005年4月8日に中米のコスタリカ太平洋沿岸で約9秒の金環皆既日食が見られます。皆既と金環の遷移地点が東太平洋上にあるので、コスタリカ側では僅かに金環ですが、ダイヤモンドリングがいくつもの光の点で見られるビーズ・ダイヤモンドリングとなって見られることでしょう。
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金環皆既日食〔タイのポスターから転載〕 |