オーストラリア砂嵐ツアー・後半

(7)バスの中で黒い太陽に再会
いよいよ待ちに待った観測日です♪部分日食も夕方からの現象なので、午前中は皆さんノンビリしていました。昨日の疲れも無事に取れて昼食後出発!砂漠の悪路には時折ひつじの姿が見えます。国道に着いても北部は未舗装となっていて、Lyndhurstを通過したバスは、皆既帯の中心を目指して走ります。車窓からの風景は地平線に渡って砂しかありません。さえぎる物が何もない単調な所です。皆既帯中心から北に500m離れた臨時駐車場が観測地となりました。

出発前の朝食
現地のGPSは南緯 30°11´08"東経138°19´50"(藤井氏のGPSを借用)ただ風がやたら強い。三脚が倒れたので石を袋に入れて固定したら倒れなくなったけど、焦点距離が1000oもあるとどうしてもファインダーの太陽がブレる!仕方なく本影錐撮影用ビデオカメラは現場に残し、撮影に必要な機材はバスの中で添乗員が座っていた座席にセットします。動けるスペースが狭いけど、強風と砂嵐が避けられて座りながら撮影できます。観測用に温度計も持ってきたら、風速25m/s以上の強風で落下して壊れたので計測は不可能となりました。
藤井氏のGPSで位置を計測
南オーストラリア州は現在夏時間で、日本との時差が+1:30あります。地平線まで雲一つ無い完璧に晴れた強風が吹く空の下、現地時間の18時43分、第一接触が始まりました。太陽は左斜め下から欠けはじめ、40%まで欠けた所で黒点が新月に隠されました。今回は地平線に近いせいか、部分食の露出時間も前回のザンビアより若干遅めです。すでに心臓の鼓動が早くなっています。約1年半ぶりに見る黒い太陽。今度はどんな顔を我々に見せてくれるのだろう?95%まで欠けた所で、本影錐の撮影用ビデオカメラの録画ボタンを押します。
観測地の砂漠
やがて空が急に暗くなり、24秒間の皆既日食が始まりました。緊張はピークに達し、ファインダーと露出時間の調整に追われました。1/1000秒で最初のダイヤモンドリング、1秒でコロナ、1/1000秒で最後のダイヤモンドリングを撮るため、シャッターを押し続けます。肉眼で見たくなったので、視点を黒い太陽に合わせたのですが、既に第三接触のダイヤモンドリングが光っていたので、あわててファインダーを覗きながら1/1000秒で連続シャッターを切ります。するとFILMもちょうど無くなって、極度の緊張から解き放たれました。太陽は部分日食のまま地平線に沈んでゆきます。AF500oF8の反射望遠鏡を使い1/1000秒でその様子を撮ります。
全周彩層に覆われた黒い太陽
全ての日食が終わるのは20時34分ですが、太陽は元の姿に戻らないまま光の点となり、20時7分地平線へ沈みました。これで皆既日食を追いかけて全ての有人大陸で観測が成功しました!来年は、オーストラリアのパースからQANTAS航空の飛行機に便乗し、南極大陸上空で皆既日食を撮影するツアーが出るそうです。果たして来年も黒い太陽に逢えるのでしょうか?
太陽高度4度の皆既日食
沈む太陽の角
(8)バロッサバレーへ
今日は一面ブドウ畑が広がるバロッサバレーに向かいます。スタッフが後片付けをする間、宿の施設を写真に収めます。元々大勢で泊まる施設ではないので、片方のトイレが溢れて使用不能です。シャワーもお湯があまり出ないし、廃水の流れる管が無いので床は水浸し!スノコがあれば靴下も履きやすいけれど、最初から無いのでトイレットペーパーを包む紙を踏み台にして、イスの近くから蛇口まで足を伸ばす…まるで曲芸のような格好で足を洗ってから拭いて靴下を履いていました。

使えなくなったトイレ(クリックするとシャワー室)
部屋の写真も撮ります。元々一人部屋の所に簡易ベットを設置して二人部屋にしたので手狭でした。撮影が終ってバスが出発します。約8時間かけての移動で、アデレード近郊のバロッサバレーへ向かいます。休憩中、今日発行される新聞を探します。午前10時を過ぎた頃、コロナの写真が大きく写った新聞が店に届き、早速4部買いました。途中ツアー初の雨に降られ、この辺から緑も多くなります。夕方6時バロッサバレーに到着!ホテルの玄関に赤・黄・青の旗がそれぞれ揺れているのが印象的で、晴れた空にとてもよく似合う風景です♪
バロッサバレーホテルの玄関
(9)試飲ワインたかりツアー
今日は、このツアーの目玉でもある試飲ワインを楽しみます♪元々酒類は飲まない方ですが、飛行機でタダのワインを飲んでから飲めるようになりました。バロッサはオーストラリアでも有名なブドウの産地です。最初のワイン工場に着いて試飲しました。赤ワインは少し渋いですが、まぁ飲めます。体に合うのは白ワイン!水のように飲み干しました。2件目の工場は「日本の皆様は大歓迎です」と日本語で玄関に書かれていました。ここも飲むように試飲し、すっかり酔っ払ってしまいました(>_<)

ワイン工場のオブジェ
品質が良かったのかワインを買う人が目立ちますが、ハチミツも売っていたのでワインを買わず、あえてそれを買いました。3件目もたかろうとしたら休業日らしい。我々には2件でちょうどいいのかも。一旦ホテルに戻り昼食。バスはアデレード市街へ向かいます。ここではやたら建物が多いし信号もある。田舎から来た?私たちは都会の街並みに感動していました。先にホテルでチェックイン。荷物を部屋に置いてすぐ土産物を買いに行きたい所ですが、ビデオカメラのバッテリーが無くて、30分ばかり時間を潰します。
ワイン工場の売店
荷物の整理も終わり、アデレード市街を散策。歩いて行くと、偶然新聞社を見つけました。中に入って保存してある新聞を見たら2種類あり、いずれも12月5日の発行で皆既日食の記事と写真が掲載されています。2種類の新聞を5部ずつ用意してもらい、早速購入しました。その足でアデレードの郵便局にも行きましたが、残念ながら皆既日食にちなんだ切手は元々販売されていないようです。南十字星を模写した切手は売られていました。
ワイン工場で見かけた中古車
(10)アデレードで買い物
土産物は食べ物がいいと言うことで、スーパーに入りました。品揃えが豊富で、とても気に入りました♪新聞の在庫が余ったので、私に新聞を頼んでいた人へ2部用意してレストランに戻ります。夕食後、オーストラリア国旗を探しに行きます。偶然良さそうな店に入ると、国旗が売っていました☆他にブーメランがあります。店員に聞くと、端っこが黒く塗られているものが本当に飛ぶようです。今度の写真展に展示の目玉として飾っておきたいので、国旗とブーメランの両方買う事にします。

アデレード市街の様子
(11)ついに帰国
今朝3時半起床。夏とは思えない肌寒さの午前4時、アデレード空港へ向けTAXI3台に分乗して出発。頭ボケボケのまま、空港に着きました。気の早いクリスマスツリーが我々を迎えてくれます。ここから一気に日本まで帰国。途中メルボルンで飛行機を降り、同じ機種でシドニー〜成田空港まで移動します。メルボルン空港は鬼門でした。同じ飛行機に乗るから、荷物そのままで結構ですと言ってたのに、機内から荷物をお引取り下さいとアナウンスが流れたり、一度セキュリティチェックしたのに、またX線検査をしたり。挙句の果てにFILMまでX線を通すし…日本の空港なら絶対ありえないことです。幸いX線セーフティケースに入れていたので、FILMは無事でした。成田空港の入国手続きは、カウンターが全て埋まるほど帰国者で溢れています。乗継で新宿に到着。冷たい雨に降られた時は、真夏のオーストラリアから真冬の日本へ、一気に現実へ引き戻された瞬間でした。

▼Outback Eclipse Festival
本文には記載していなかったのですが、皆既日食に伴うフェスティバルが観測地の近くで行われていました。
場所は人口25人足らずのリンドハーストです。観測地に出かけたバスの車中それらしきフェスティバルを発見したのですが、まさか日食フェスだとは思わず4年経った今、知りました。そう言えばリンドハースト近郊の街でツアーに参加していない日本人を見かけましたが、皆既日食を見ると言う目的は同じだったのですね…


Outback Festival
●出来上がった写真を見て…
今回の皆既日食は24秒と短かったので、太陽が月よりわずかに小さく、より多くのプロミネンスと彩層が見られました。数分続く皆既日食は、月と太陽の接触点が1つだけなのに比べ、数秒の皆既と金環日食では接触線となり、密接に両者の縁が連なります。そのため、月のクレーターから多数の太陽の光が漏れてダイヤモンドリングが連なるリングとなります。これをベイリーが発見したのにちなんで、ベイリー・ビーズと言います。オーストラリアでは、まさに感動のベイリー・ビーズと出会えました。

2002.12.04 19:41´12"に撮影(日本+1.5時間)
場所:南オーストラリア州リンドハースト郊外の砂漠
風速25m/s以上の強風でバスの車内から窓越しで撮影
位置:南緯 30°11´ 8" 東経 138°19´50"
機材:MINOLTA α-707si AF500mm F8反射望遠レンズ
   +2倍テレコンバーター使用  露出 1/1000秒
FILM:AGFA Vista 400使用 ノーフィルター・固定撮影

観測地の位置
観測地の位置・・・バス印が観測点です     観測地のGPS 30°11´ 8.00" S  138°19´50.00" E  標高 118m
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