炎天下の皆既日食・哈密編

(14)天北北路から南路へ

舗装路が延々と続き、再びバスは巴里坤市街へ。ここで先導されたパトカーと別れ、哈密に向かいます。天山山脈の崖を縦断する道から通るので、険しい山道を通過しました。より天山山脈に近づいたので、雪の頂を撮影します。

真夏でも雪が溶け残っています。この雪が地中に流れ、地下水となって砂漠の各地にオアシスを作ります。真冬は吹雪になるので、一面真っ白になるそうです。道路沿いには上に赤い矢印が見えています。これは地吹雪になった時に道路の位置が分かるようにするために設置されています。

天山山脈・雪の頂
天山山脈・雪の頂

私の故郷、青森県の弘前市から津軽平野の郊外に出ると真冬は下から雪が舞い上がってきます。ここにも地面の上に赤い矢印が設置されているので、田舎の道路と同じだな…と思いました。

山肌は多少黒味を帯びています。天山山脈では、石炭が圧倒的に多く取れます。道端にはトラックの荷物からこぼれた石炭が落ちています。また銅と採掘量は少ないのですが、金も取れます。金がある鉱脈は銀も取れるので、銀もあります。トラックの荷物が日本とはケタ外れで、乗せられる限界一杯まで乗せています。そのため一回バランスを崩して路肩に落ちたら最後、ひっくり返っているトラックの姿を何度も見ました。

哈密まで118km
哈密まで118km

狭い日本ならJAFを呼べますが、ここは中国。なかなか救援の車が来なくて炎天下の中、ひたすら横転した車の横で待機しているヒトの姿が見られました。やがて繁華街が見えてきました。都会らしい光景になったら、ここはもう哈密。バスの油が足りなくなったので、給油します。

読み方は分からないのですが、中国では軽油を軽柴油と呼ぶんだそうです。1リットルあたり5元です。日本円に換算すると、1リットルあたり80円となります。原油高騰の中、まだまだ元の通貨は安いです。このあたりでは、ハミ瓜が名産だそうです。一方、南西部のカシュガルではカシュガル瓜と呼ばれています。地方によって瓜の呼び名が違います。

バスは軽柴油で
バスは軽柴油で

哈密は漢民族が多いので、瓜と言えばハミ瓜が一般的です。哈密の中心街を通り、哈密博物館へ入ります。ここは土日閉まっているのですが、土曜日の今日は特別に開館してもらいました。中を撮影することが出来ないので、博物館の外観だけを撮ります。

哈密は熱く、素足でコンクリート地面を歩くとヤケドします。卵を地面に落とすと半熟卵が出来るくらいです。哈密博物館は一部冷房が効いているので、その場から離れられませんでした。博物館の片隅に新聞が落ちていました。これは昨日の新聞です。これから皆既日食が見られるので、簡単な観測DATAが載っていました。

ハミ瓜
ハミ瓜…スイカのような堅さでメロン味

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