豪州砂嵐ツアー
Cバスの中で黒い太陽に再会
いよいよ待ちに待った観測日です♪部分日食も夕方からの現象なので、午前中は皆さんノンビリしていました。昨日の疲れも無事に取れて昼食後出発!砂漠の悪路には時折ひつじの姿が見えます。国道に着いても北部は未舗装となっていて、Lyndhurstを通過したバスは、皆既帯の中心を目指して走ります。車窓からの風景は地平線に渡って砂しかありません。さえぎる物が何もない単調な所です。皆既帯中心から北に500m離れた臨時駐車場が観測地となりました。
現地のGPSは南緯 30°11´08"東経138°19´50"ただ風がやたら強い。三脚が倒れたので石を袋に入れて固定したら倒れなくなったけど、焦点距離が1000oもあるとどうしてもファインダーの太陽がブレる!仕方なく本影錐撮影用ビデオカメラは現場に残し、撮影に必要な機材はバスの中で添乗員が座っていた座席にセットします。動けるスペースが狭いけど、強風と砂嵐が避けられて座りながら撮影できます。観測用に温度計も持ってきたら、風速25m/s以上の強風で落下して壊れたので計測は不可能となりました。
南オーストラリア州は現在夏時間で、日本との時差が+1:30あります。地平線まで雲一つ無い完璧に晴れた強風が吹く空の下、現地時間の18時43分、第一接触が始まりました。太陽は左斜め下から欠けはじめ、40%まで欠けた所で黒点が新月に隠されました。今回は地平線に近いせいか、部分食の露出時間も前回のザンビアより若干遅めです。すでに心臓の鼓動が早くなっています。約1年半ぶりに見る黒い太陽。今度はどんな顔を我々に見せてくれるのだろう?95%まで欠けた所で、本影錐の撮影用ビデオカメラの録画ボタンを押します。
やがて空が急に暗くなり、24秒間の皆既日食が始まりました。緊張はピークに達し、ファインダーと露出時間の調整に追われました。1/1000秒で最初のダイヤモンドリング、1秒でコロナ、1/1000秒で最後のダイヤモンドリングを撮るため、シャッターを押し続けます。肉眼で見たくなったので、視点を黒い太陽に合わせたのですが、既に第三接触のダイヤモンドリングが光っていたので、あわててファインダーを覗きながら1/1000秒で連続シャッターを切ります。するとFILMもちょうど無くなって、極度の緊張から解き放たれました。太陽は部分日食のまま地平線に沈んでゆきます。AF500oF8の反射望遠鏡を使い1/1000秒でその様子を撮ります。
全ての日食が終わるのは20時34分ですが、太陽は元の姿に戻らないまま光の点となり、20時7分地平線へ沈みました。これで皆既日食を追いかけて全ての有人大陸で観測が成功しました!来年は、オーストラリアのパースからQANTAS航空の飛行機に便乗し、南極大陸上空で皆既日食を撮影するツアーが出るそうです。果たして来年も黒い太陽に逢えるのでしょうか?
太陽高度4度の皆既日食
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