ベネズエラ気温差ツアー
B観測地の下見
空港から出たら現地駐在員のカンデスツアーが我々を迎えてくれました。ツアーが用意したバスで観測地の下見に行きます。場所はマラカイボ市の北西約50qにあるカラスケーロ町ドン・ボスコ農工学校校庭。既にツアー毎の陣地が決まっていて、私たちの観測場所は校庭の端っこでトイレと鳥小屋の近くでした。私はここまで移動のつらさと気温差で身体が思うように動けません。青森の実家を出てきた時の気温は−6℃、こちらは35℃以上あります。
現地のGPSは
北緯 11度03分71秒 西経 72度03分20秒
C心臓の鼓動が…
ベネズエラ国内では1916年2月3日に今回と似た経路でカラカスの200q西で観測されて以来、82年ぶりの皆既日食。今回の皆既継続時間は3分45秒です。太陽が欠けてだいぶ暑さもやわらいだ頃、ダイヤモンドリングが輝きました。太陽の上から光が消えていき、上下に伸びるコロナが見えます。同時にピンク色のプロミネンスも見えていて、その廻りに二つの惑星が輝いていました。左斜め上は水星で、右斜め下は木星です。
天頂に近い皆既日食なので、皆既特有の夕暮れ状態が地平線の全てを覆いました。それが太陽方向に移動した瞬間、月の谷から光が漏れてダイヤモンドリングになり皆既日食も終わりました。皆既日食中でも2台のカメラを駆使して撮影に没頭しているので、時間の経つのもあっという間です。感動の余韻に浸る時間はいつも短く、太陽は元の姿に戻りながら地平線方向に向かってゆっくりと沈んでいきます。
皆既中の太陽
左斜め上は水星
右斜め下は木星
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