1961年2月15日の朝8時半、イタリアのフィレンツェで皆既日食が見られました。"Barabbas"と言う映画を製作中に映画セットのカメラマン"Augusto Di Giovannni"が撮られた写真です。 この写真はhttp://www.andreaplanet.com/italy/から拝借しました。下の写真が映画のセットと共に撮られた写真で、右の写真がそのとき撮られた極大期型コロナの拡大写真です。 この皆既日食帯は、フランスのビスケー湾から始まりました。 ヨーロッパ南部を横断するように皆既帯は移動します。その後ロシアのウラル山脈を横断した皆既帯は、タイミル半島の付け根で終了します。当時は東西冷戦下だったので、西側諸国しか皆既日食の観測記録が残っていません。 映画のセットやエキストラと相まって、実に幻想的な風景に仕上がっています。写真の中央にコロナが、 両脇には月の本影錐が映っています。 その後、ヨーロッパでは1999年8月11日まで皆既日食が見られませんでした。私が観測に遠征したブルガリアのGeneral Toshevoでは、1961年2月15日の皆既日食と共に1999年8月11日と二回もヨーロッパ皆既日食帯が通過したところでした。1950年以前に生まれた現地の方は、同じ場所で二回も皆既日食を見られた大変幸運なヒトと言えます。 |