色収差(chromatic aberration)とは、凸レンズで被写体を撮影するときに光の波長によって像にずれを生じることを言います。
皆既日食の撮影では、どうしても焦点距離の長いレンズを使うので可視光の色分散によって色収差を発生させてしまいます。特に屈折望遠鏡はその傾向が強く出ます。これを無くするには、屈折率の異なる凹レンズなどを用いると解消されることがあります。但し、レンズの枚数を増やすとそれだけ被写体が暗く見えてしまうので注意が必要です。また水晶などの不純物がないレンズだと光の波長による色分散の影響が出にくくなるので、一般的に高価なレンズですと色収差が出にくくなります。 wikipediaより…軸上色収差の原理
色収差を起こした写真
以下の写真は、反射望遠鏡を使って撮影したものです。 反射望遠鏡では基本的に光学系の違いから色収差が発生しません。上に見えているのはダイヤモンドリングに近い状態で撮影したのでプロミネンスや彩層が一緒に映っています。これは色収差とは関係ありません。反射望遠鏡ではリング状のピンボケが出てくるのでカメラレンズの応用には好まれませんが、天体望遠鏡ではレンズの長さが縮められる利点もあって多用されています。
弊写真は、非常にコンパクトな反射望遠鏡で撮ったものです。更に2倍のテレコンバーターで焦点距離を伸ばして撮影しました。 wikipediaより…屈折率の異なるレンズによる色収差の補正
反射望遠鏡で撮った写真
■ダイヤモンドリングにおけるゴースト
反射望遠鏡で撮ったゴースト
上の写真は極端な例ですが、ゴーストの様子がよく分かる写真です。この写真は、ピントがあっていなくて光軸がずれている史上最低の写真です。
下の写真は、ほぼピントが合っているのにも関わらずゴーストが出てしまった作例です。
これは、2倍のテレコンバーターレンズを装着して撮影しました。レンズの構成枚数が多くなったので出たゴーストです。反射式の天体望遠鏡では色収差とゴーストが出ないので、資金があればそれで撮影します
ピントが合っているのに出たゴースト
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