1925年1月24日の朝９時頃、ニューヨークで皆既日食が見られたことを知っているヒトは少ないかも知れません。
この頃は飛行船が主流だったので、当時使われた飛行船・USS ロサンゼルス号で皆既日食観測が行われました。以下の図は、当時発行された詳細な皆既帯です。資料はhttp://tse1925.com/から拝借しました。
この皆既帯は、New York中心街から外れたところで見られました。ニューヨーク州のLong IslandでUSS ロサンゼルス号に乗った方が、8mmで撮られた映像を一番下のYouTubeで紹介しています。
1925年と言えば、日本では大正14年。大正デモクラシーに基づいた安定期で、関東大震災の２年後です。
ラジオ放送が始まり、新しいメディアが社会に刺激を与えるようになる時代です。
USS ロサンゼルス号は、アメリカ海軍の硬式飛行船。記号はZR-3。1923年から1924年にかけてドイツ、フリードリヒスハーフェンのツェッペリン工場で建造されました。第一次世界大戦後、ドイツの戦争賠償の一部としてドイツ政府からアメリカ合衆国に譲渡されたそうです。USS ロサンゼルス号は、経済的な理由から1932年に退役しました。事故で失われた飛行船が多い中、非常に安らかな終焉だったと言えます。
USS ロサンゼルス号から見た1925年1月24日朝９時頃の皆既日食です。音声技術が発達していなかった当時のFILMなので、音声はありません。むしろ、映像記録に残っていたことが驚愕に値します。
次回NewYorkで皆既日食が見られるのは、2079年5月1日早朝で日出皆既日食となります。154年間も間隔が空かないと、大都市で皆既日食を見ることは難しいようです。我々も当然、この世には生きていないでしょう…
